こんにちは!打楽器の吉岡です。
今回は音楽記号「フェルマータ」について、どのくらい伸ばしたらいい?休符についてる場合はどうするの?など、例を挙げながら解説していきます。
もくじ
フェルマータの語源
イタリア語でfermataは「停止」を表す言葉です。
バス停の標識にも使われています。
ちなみに動詞形firmareは「動きを止める」で、由来となっているラテン語では「きちんと止める、とどめる」の意味になります。
そのイメージから署名(サイン)する意味にもなっています。
音楽記号のフェルマータ
教科書や楽典によっては「2倍に伸ばす」など書いてあるそうですが、単純に2倍伸ばせばいい、というわけではありません。
作曲者は小節や拍を増やすことなく、あえてフェルマータをつけています。
「停止」「延長」の意味からしても、拍にとらわれない「時間」が求められているのだと思います。
「ほどよく伸ばす」でピンと来なければ、その場で「停止する」「立ち止まる」と考えてみるのも良さそうです。
曲の途中で出てきた場合は、フェルマータの後の音楽はどうなっているか?どう繋げたいか?でフェルマータの長さや切り方を変えていきます。
「どんな感じがいいか、よく分からないや!」という場合はとにかくクラシック系の演奏を聴いてみることをオススメします。
ちなみにフェルマータはカエスーラよりも長い、とされています。
カエスーラって何!?
ダブルスラッシュではなく〇〇〇ー〇!?楽譜のコンマ「 ’」「 // 」どう演奏すればいいのか?
音符にフェルマータ
作曲者がわざわざ付けた記号。
私はいつも大切にしたい「特別な音」と考えています。
作曲者が何故その音にフェルマータをつけたのかイメージしながら、長さを決めてみてください。
曲の終わり
楽譜通りに伸ばすだけでなく、終止感・終わった感が聴いている人に伝わるようにほどよく音を伸ばします。
曲の区切り
曲の大きな区切り、テンポの変わり目によくフェルマータが付けられます。
場合によりけりですが、フェルマータしている間に場面が変わっていくような、次に続く場面への橋渡しをイメージして演奏したいですね。
フレーズの途中
ピアノ作品、トロイメライの終わりの方に出てくるフェルマータです。
このメロディは何度か演奏されるのですが、最後だけメロディライン(最高音)が大きく変わり、和音も新しいものになっています。
そのまま演奏してしまうと、なんだかそっけない感じになってしまいますが、
フェルマータが付いて一度立ち止まることによって、特別な印象(この曲の場合終わりが近づいているということ)を与えることができます。
音符と音符のあいだ
次の音符に移る前に「適度な長さの休止」を入れます。
小節線にフェルマータ
「終止」の意味です。
小節線の上だけにフェルマータが付く場合や、下だけに付く場合もあります。
D.C.(ダ・カーポ)やD.S.(ダル・セーニョ)したあとに使われるFine(フィーネ)と同じです。
休符にフェルマータ
音符の場合と変わらず、「特別な休符」です。
拍子や拍にとらわれない、大切な「間」だと思います。
音符と同じように、曲の途中であればフェルマータの後の音楽はどうなっているか?どう繋げたいか?でフェルマータの長さや切り方が変わってきます。
曲の最後の休符に付いていれば、「間」や「静けさ」が必要なのだと思います。
響きが消えても余韻を十分に味わってから、演奏の姿勢を崩したりお辞儀をしたりするといいと思います。
ノリが悪い、テンポが良くない原因は「休符」にあった!?~休符も歌おう!
特に打楽器で気を付けること
フェルマータの付いた休符は「休む時間」ではないので積極的に「間」を演奏しているつもりでいると良さそうです。
このタイミングでの譜めくりも控えたいですね。
持ち替えや楽器移動が必要な時は間を壊さないよう、目立たないように工夫を是非してみてください。
打楽器アンサンブルまとめ
フェルマータには兄弟がいる
作曲者が1曲の中でフェルマータの長さを使い分けたい時。
この3種類がよく使われています。
左<真ん中<右の順に長くなります。
作曲者によって独自のフェルマータ記号が使われる場合も。
上記以外のマニアックなフェルマータについて気になる人はこちらも見てみてください。
まとめ
- フェルマータは停止・延長・終止の意味
- 作曲者はこだわりを持ってフェルマータを付けている
- 小節線に付くと「終わり」の意味になる
なんとなく伸ばす、だけではなく何故その音にフェルマータが付いているのか?よく考えてこだわって演奏したいですね!
それでは、また!