教育用楽器との違いは楽器を置いた時に「開いたまま」か「閉じたまま」か。
ゴムなどを通し常時開いた状態のものは教育用楽器、オーケストラなどで使われるカスタネットはヒモの縛り具合や持ち加減で開きを調節します。
カスタネットのプロによる圧巻の演奏を聴いてみよう!
カスタネットは大きく3種類に分けることができます。
1.フラメンコ(スパニッシュ)カスタネット
スパニッシュカスタネットとも呼ばれる。
親指にひもをかけて人差し指~小指を使って打ち鳴らす、伝統的なもの。
ひも付近を持って、腕やももに打ち付けて演奏することも出来る、
元々は踊りながら演奏する楽器。
すぐできる奏法はこちら
2.柄付き(フラッパー)カスタネット
フラッパーカスタネットとも呼ばれる。取っ手がついたもの。
フラメンコカスタネットにそのまま柄が付いたものと、柄のついた1枚の板の両側にフラメンコカスタネットが紐で取り付けられているロール専用の柄付きカスタネットがある。
ロール用
3.機械式カスタネット
テーブルカスタネット、マシンカスタネットとも呼ばれる。
忙しい楽器持ち替えで役に立つ、手に持たずに演奏できるタイプ。
ただし、手に持つタイプより表現の幅は狭まる。
Castanets / Cast.
Kastagnetten【独】
castagnetts【仏】
castagnette【伊】
内側にくぼみのある貝殻型の2枚の小片にひもを通したもの。カスタネットの名称はスペイン語で栗材を表すカスターニャに由来し、フラメンコなどを通じ世界中に知られている。しかし現在は、その特質な演奏技術と作曲家の要求などにより、様々な形や材質のものがある。それぞれの特長をとり、スパニッシュカスタネット、柄付きカスタネット、機械式カスタネット、に分類することができる。
スパニッシュカスタネット この名称はフラメンコ等、スペイン民謡で用いるカスタネットを諸外国で呼ぶときの呼び方であり、本来はカスタネットのことである。この楽器は2枚を一組として2組対で用いられる。また、音高の異なる組み合わせによって用いられ、高いほうを「女性hembra」低い方を「男性macho」と呼び、8㎝前後の帆立貝のような形をした小木片の端に穴をあけ、くぼんだ部分を向かい合わせにして紐を通じている。材質はクリ、ローズウッド、黒檀などの堅い木が用いられる。演奏者は親指と人差し指にかけ、手を握るようにし、指を用いて演奏する。
柄付きカスタネット 片手で演奏できるように柄を付けたもので、柄のついた合板の両側に同じ材質のカスタネットが紐で取り付けられている。奏者は柄をもって上下に振るようにして奏する。おもにオーケストラで用いられる。
機械式カスタネット ゴム紐や金属のスプリングなどを用いて、2組のカスタネットを台に取り付けたり、共鳴板に2枚のカスタネットを1枚ずつ取り付けたもの等がある。楽器を手に持つ必要が無く、しかも両手が使えるので、細かいリズムやマルチ・パーカッションの演奏などに適している。
カスタネットはエジプトのクラッパーに起源を持ちスペインで発達したもので、魅力的なリズムを奏し、長いロール奏法にも特徴がある。民族楽器として踊り子たちのあいだで使われていたが、16世紀にはサラバンドにも使用され、1875年にはビゼーがオーケストラではじめて、彼の作品である歌劇<カルメン>のなかで使用した。
【網代景介・岡田知之共著「新版 打楽器事典」1981年】
Playwood(プレイウッド)
Pearl(パール)
ほか