こんにちは!打楽器の吉岡です。
今回は地味に見せかけて意外と影響力大!?
バンド全体の盛り上がりを左右する!?
サスペンデッドシンバルのロールのコツと練習方法、向いているマレットについて書いていきます。
ちなみに高校の吹奏楽部ではサスペンデッドシンバルは「サスぺ」と呼ばれていました。笑
合わせシンバルはこちら
合わせシンバル(クラッシュシンバル)をイイ音で鳴らすための基本3つ
もくじ
まず楽器の状態をチェック!
いくら上手に演奏しても楽器の状態が悪ければ台無しになってしまいます。
ぜひシンバルを一度はずしてみて、チェックしてみてください。
スリーブ(またの名をチューブ、カップ)
写真の赤い丸で囲った部分がとても重要です。
このスタンドの金属部分がむき出しだと、ノイズの原因になります。
(ロールするたびにジージー鳴ります)
学校の楽器でこの部分を紛失している場合が多いです。
メーカーによってサイズや形式は違うのですが、この「スリーブ(チューブ)」が付いていないと直接シンバルがスタンドに触れてノイズの原因になります。
もしスリーブ(チューブ)が無かった場合、メーカーから単品で出ているので買うことができます。
ドラムで使うパーツなので、近所の楽器屋さんに行けば置いてあるかもしれません。
時間ない!間に合わない!という場合はホームセンターで買えるゴムチューブなどでも代用できます。
別の選択肢として、シンバルとの接触面積を極力減らすことで本来の響きを引き出せる「シンピロー」もあります。
ネジ(シンバルメイト)・クッション
いきおいよく叩いたとき、シンバルが飛び出さないようにネジとクッションが付いています。
ネジ(シンバルメイト)とクッションもバラ売りされています。
このネジをきつく締めてしまうと、シンバルのカップ部分を押さえつけてしまうことになり、響きが悪くなる場合があります。
そのためネジを緩めにしたり、上のクッションは付けずに使うこともあります。
ロールをするときはあまり押さえつけない方が、きれいに音を繋げやすくなります。
楽器によって個体差が大きいので、状況に合わせて響き具合を調節してみてください。
ネジもクッションも無しで使うこともあります。
ただし、激しく連打したりスタンドを傾けて使う時はシンバルがはずれて飛んでいかないようにご注意ください。
ネジやクッションをはずして使う時は、なくさないように必ず箱や袋などケースに入れて保管しましょう!
楽譜のこと
サスペンデッドシンバルのロール&クレッシェンドの楽譜は「タイ」で繋がっていることが多いです。
通常のタイと違って、太鼓の楽譜にあるタイは繋がった音もたたきます。
(響きの延長線上のようなかんじで)
タイで繋がった最後の音をハッキリたたくか、ぼかすかは音楽に合わせて判断します。
ロールの基本とコツ
すべての打楽器に共通するロールのコツです。
日々の基礎練習がここで役に立ってきます!!!!!
・そろえる
・響かせる
・調節する
ロールの為にもコツコツ基礎練♪
そろえる
左右の音量、音色、粒をそろえる(基本!)
響かせる
一打一打を響く音で。
握りこまない、シンバルの振動が伝わる握り加減で。
とにかく速くたたくのではなく、一打一打で響きを繋げていくイメージです。
ボールペンなどを片手でつまんで上下にユラユラさせて「ほら~曲がって見えるでしょ~」やったことありますか?
あの揺らす感覚がサッシンのロールにはぴったりです!
ぜひマレットをつまんで上下にユラユラ、左手も右手も同じようにできるか是非試してみてください。
(音を出さずに練習出来て、初心者にもオススメ!)
調節する
ロールの強弱・曲のテンポ・雰囲気によって、たたく速度を調節したりマレットを選択したりする。
ちなみに、金属の打楽器は叩けば叩くほど響きが重なって音量が大きくなっていきます。
同じ音量のつもりでたたいても、振動している状態だと大きく聞こえてしまいます。
一度クレッシェンドしてまた小さな音からクレッシェンドするときは、一度止めたり振動を減らしてから、たたき始めます。
練習のしかた
先ほどの「4拍ロールでクレッシェンド」のパターンで練習方法を紹介していきます。
なるべくシンバルの外側(エッジ)を狙うと響かせやすいです。
動画は左右をたたいていますが、手前で左右そろえてたたいてもできます。
(使用楽器:T-Cymbals Cymbalmaker Medium Crash 17″)
動画では両手打ち、十六分音符に分解する方法でやっています。
左右で音がそろっているかよく分からないときは、シンバルのカップ手前でたたいてみると粒がハッキリ聞き取れます。
マレットを握りしめず、シンバルの左右を均等に揺らしていくイメージでたたくと揃えやすいです。
クレッシェンドのコツ
音楽の流れに合わせ、計画的にクレッシェンドしましょう。
サスペンデットシンバルのロールは他のパートと一緒にクレッシェンドするか、遅れて最後にクレッシェンドするかです。
たたけばたたくほど音量が大きくなってしまうので、たたき始めからわりと音量が大きくなってしまい、最後あまりクレッシェンドできていない状態をよく見かけます。
小さな音または音量を変えない時間を作ることを意識して、我慢しておさえておいてから大きくしていくぐらいがちょうど良かったりします。
どんな形のクレッシェンドにするか、どんなカーブを描いて目的地(最後の音)にたどり着くか、ぜひイメージしながら練習してみてください。
クレッシェンドのコツはこちらを参考に
短いクレッシェンド
1拍でフォルテへクレッシェンド!
テンポが速い場合、普通にやっても間に合わないかもしれません。
あらかじめシンバルをマレットや手で小さくたたいて振動させてからロールを始めると、音の立ち上がりが早くなり、すぐ音量を大きくできます。
デクレッシェンドもある
たま~に出てきます。
大きな音から始めて、マレットで振動をおさえていくようにするとできます。
すぐ大きな音から始められるように、シンバルをマレットや手で小さくたたいて振動させてから始めるのもオススメです。
向いているマレット
ヘッドが軽く、ある程度やわらかいマレットを使うとロールしやすいです。
毛糸巻き・綿巻きマレット
基本的にマリンバやビブラフォンで使う毛糸巻き・綿巻きのマレットを使います。
ピンクのマレットはサスペンデッドシンバル用マレットです。
極細の毛糸巻きで、柄が短く扱いやすいマレットです。
ティンパニマレット
硬さミディアムぐらいのティンパニマレットだと、鍵盤楽器のマレットに比べてソフトであたたかい音色を出しやすいです。
まとめ
- スタンドをチェック!
- ロール三原則「そろえる響かせる調節する」
- クレッシェンドは計画的に!
- 軽めのマレットで
一見地味だけど重要で奥が深い「サッシンのロール」についてでした!
それでは、また!
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