こんにちは!打楽器の吉岡です。
今回は、知れば誰かに話したくなる!?
ビブラスラップに関する様々な話題に触れていきます。
もくじ
音色だけは超有名!
楽器の名前はあまり知られていませんが、音色だけはとても有名な楽器です。
音楽に詳しくない人にもビブラスラップの音を聴いてもらうと「あ!知ってる!」と言われることが多いです。
最近はハンバーグ師匠で一躍有名になりましたが、そのずっと前からポップスや演歌、テレビなどの効果音として広く使われています。
北島三郎の「与作」、荒井由美の「中央フリーウェイ」などで印象的に使われています。
テレビ版初代ルパン三世でもBGM代わりに「これでもか!」というほど使われています。
演歌や時代劇にもよく耳にするので、いかにも「和!」な音のように思われがちですが、実は、この楽器のルーツは中南米キューバにあります。
(後述「元々はロバの骨を使った楽器だった」で解説します!)
「与作」0:17ごろ、歌い始め直前に入っています
「中央フリーウェイ」始まってすぐ!0:06に鳴ってます
音が出る仕組み
小さな木の箱の中に小さな金属片が入っていて、球の部分をたたくことによってその小さな金属片が激しく細かく木の箱に当たって、独特の音を出します。
球と木の箱をつないでいる金属の棒には弾力性があり、振動が伝わるようになっています。
メーカーによって様々なサイズや材質による楽器が作られており、音との高低や音色にもバラエティがあります。
奏法についてはこちら
ビブラスラップはビブラスラップじゃない!?
ビブラスラップは1964年創業のLP社(Latin Percussion / ラテンパーカッション)によって新しく開発されたため、特許および商標登録されている楽器です。
一般名称ではないため、似た楽器が違う名前で販売されることがあります。
(マイネル社の商品は「ロアー」(The Roar) と呼ばれています)
厳密にはLPの楽器だけが「ビブラスラップ」ということになります。
や…ややこしい。笑
カリンバの場合は似た楽器がアフリカ各地にあり、イリンバ、マリンバ、ムビラ、サンザなど地域によって呼び名が異なります。
元々はロバの骨を使った楽器だった
元々はキューバの民族楽器「キハーダ」の代用として開発された楽器でした。
この「キハーダ」とは「ロバのあご」の意味で、名前のとおりロバの下あごの骨をそのまま叩いて音を出す楽器です。
かなり衝撃的な見た目をしています…。
ロバや馬の下あごの骨を乾燥させて歯茎の部分がなくなると、その部分に歯と骨の隙間ができます。
たたくと、骨に付いたままの歯が自由にカタカタ動くので、細かい音が重なってあのビブラスラップのような「カーッッ!」の音が出ます。
ビブラスラップが世界中で必要になって、でもロバの下あごの骨を用意するのは大変で…ビブラスラップが発明されたようです。
古い吹奏楽曲や打楽器アンサンブル作品だとキハーダ(quijada)と表記されていることがあるので、ビブラスラップで代用してくださいね。
キハーダについて詳しくはこちらの記事をどうぞ!
ビブラスラップだけの曲!?
渡邉達弘さん作曲のビブラスラップ2重奏「その発想はなかったw」がおススメです。
ビブラスラップの持つポテンシャルが最大限に発揮された名曲(予想のはるか斜め上をいく迷曲?)なので、ぜひ聴いてみてください。
おわりに
以上、
知ると誰かに話したくなる!?ビブラスラップにまつわるお話でした!
それでは、また!
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参考書籍・URL
・新版打楽器事典(網代景介・岡田知之共著 音楽之友社)
・音楽教室 ノアミュージックスクール
キハーダっていう気になる楽器を発見したのですが、いったい何なんですか?