様々な楽器を使うパーカッション。
個人練習の時は上手くいくけど合奏になると上手くいかない。
その問題、もしかしたら譜面台の置き方で解決できるかもしれません。
今回は演奏のクオリティが大きく変わるかもしれない「譜面台の置き方」について書いていきます。
合奏
合奏のとき目はどのように動いているのか?
- 手もと
- 譜面
- 指揮者
この3点をかわるがわる見ることになると思います。
効率よく演奏するためにはこの3点をなるべく近づけて、視点の移動を最小限にすることが理想的です。
とはいえ、3点すべてを近づけることはほぼ不可能なので、状況に合わせて2点を近づけるようにします。
ドラムセットなどで「常にテンポキープをしなければならない。手もとをガン見しなくてもいいけど、譜面を見つつ指揮者も見ながら演奏したいとき」は譜面と指揮者が同じ視界に入るようにする。
シロフォンなど「ずっと叩きっぱなしではない。手もとも見つつ譜面も見るようにしたい」場合は手もとと譜面が同じ視界に入るようにする。
と いった感じで、必要に応じて譜面台の高さや向き、置く場所を工夫します。
- 譜面台の延長線上に指揮者がいるように
- 指揮者と高さを近くする
- または手もとと譜面を近づける
個人練習のときも、合奏時のように指揮者を見る意識を忘れずに練習したいですね。
そのためには、指揮者の位置にメトロノームを置いて練習してみると、合奏に近い感覚でできると思います。
打楽器アンサンブル
指揮者がいないアンサンブル。
この場合は自分の手もとを見たり、譜面を見たり、メンバーの動き(手もと)を見たりしていると思います。
なるべく同じ視界に入れるようにするとアンサンブルしやすくなります。
- 譜面台の延長線上にメンバーがいるように
- または手もとと譜面を近づける
打楽器アンサンブルに関するセッティング、くわしくはこちらの記事で↓
楽器別・譜面台の置き方
以下、指揮者から見て左側(舞台下手)に打楽器をセッティングする想定で書いていきます。
ドラムセット
パーカッションを指揮者から見て左側(下手・しもて)にセッティングした時のイメージです。
ドラムセットの譜面台(×印)ををスネアの前に置いた場合、図1のようになると思います。
この状態では、譜面と指揮者を見ようとしたときに、左右に首を振らなくてはなりません。
赤い矢印が奏者の「目線」です。
このセッティングでテンポが安定しない場合は、譜面台をフロアトムの前に置く、あるいはドラムセットをもう少し指揮者へ向けることで解決できます。
譜面台の延長線上に指揮者がいる状態です。
譜面台の高さも工夫すれば、より指揮者と譜面を見やすくなります。
チャイム
指揮者と譜面を同じ視界に入れるなら図4のタイプ。
譜面台は指揮者の上半身に合わせて、高めにすると見やすくなります。
ただし、チャイムは手元を見ないと心配なことも多いですよね。
手もとを見つつ譜面も見たいときは図5をおすすめします。
チャイムと奏者の間に譜面台を置きます。
(ヤマハタイプのペダルだと置き方に少し工夫が必要ですが…。)
もちろん、譜面台は高めにして手もとに近づけます。
指揮者も手もとも譜面も見ないと心配!!
全ての不安を解消する方法は図6!
チャイムの間から指揮者を見るようにします。
アンサンブルの時にも使えるセッティング技です。
鍵盤打楽器
必ず楽器の真ん中に譜面台を置かなくてはならない、というルールはありません。
高音域しか弾かないのであれば楽器の右のほうに譜面台を置いて、低音域しか弾かないのであれば左側においてもOKです。
譜めくりができない場合などには、1つの楽器に譜面台を2本立てることもあります。
「手もとと譜面」が同じ視界に入るように譜面台を低くして鍵盤に近づけることもあれば、「指揮者の上半身と譜面」が同じ視界に入るように譜面台を高めにするとうまくいく場合もあります。
打楽器アンサンブルの譜面台の高さについては指導者のみならず、プロ奏者の間でも様々な意見が飛び交っています。
譜面台を高めにすれば弾いている手もとが客席から見えやすく「アドバイス・審査がしやすい」という人もいますが、奏者の上半身に譜面台がかかるため、あまり見栄えは良くありません。
譜面台をなるべく下げて角度を倒すと、見栄えの点は解消されます。しかし、舞台が客席よりも低くない限り手もとが見づらくなります。
まとめ
- 手もと(楽器の向き)
- 譜面(高さと向き)
- 指揮者またはメンバー
この3点を意識して譜面台の置き方を考えることで無意識にやっていた「目線の無駄」をなくせるかもしれません。
目線の無駄をなくすことができれば、もっと「耳」や「肌で感じる響き」に意識を持っていくことができます。
「音」に集中できる、つまり、もっと音楽を楽しむことができます!
いい演奏になるなら打楽器は何でもありです。
ぜひ、たくさんアイデアを出して色々と試してみてください。
それでは、また!