こんにちは!打楽器の吉岡です。
「 ’ 」はコンマですが、楽譜に出てくる「 // 」はダブルスラッシュ…ではなく、ちゃんと名前があります!
どういう意図でこの記号がつかわれているのか、読み解いて演奏するくヒントを書いていきます。
「 ’ 」は何?
「 ’ 」はコンマ、もしくはカンマと呼びます。
記述記号のひとつ。「,」の符号。欧文など横書きの文の読点、アラビア数字の位取りなどに用いる。カンマ。
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(位取り…¥1,000←金額の表示などで使われるこれのこと)
文章の区切りに使われる記号ですね。
楽譜に出てきたときは日本語の読点「、」と同じように考えてよいと思います。
また、管楽器の楽譜では息継ぎ(ブレス)の位置を示す記号「∨」と同じような意味合いで使われる場合もあります。
コンマは「音楽の読点、息継ぎ」と考えるのが良さそうです。
「 // 」は何?
ダブルスラッシュ!平行記号!と呼んでしまいそうですが、楽譜に使われる場合は「カエスーラ」と呼ばれます。
詩の韻律において、カエスーラ(中間休止、休止、句切れ、caesura or cesura, 複数形:caesurae)は、詩行の中間にある、耳で聞き取れる休止のこと。(中略) 音楽の記譜法での、カエスーラは音楽的時間(musical time)の完全な休止(停止、中断)を意味する。
wikipedia
カエスーラ(caesura)は元々は詩で使われていた記号でした。
カエスーラも音楽の区切りで、休止・停止・中断の意味を持っています。
「 ’ 」「 // 」をどう演奏するか?
コンマとカエスーラのちがい
どちらも区切りであるけど、コンマは息継ぎであったりインテンポのまま進むこともある、カエスーラは音楽的時間の停止や休止を意味する。
ということは、コンマ<カエスーラと覚えておくと良さそうです。
実際に演奏するなら、コンマの場合は息継ぎのイメージで演奏する、カエスーラの場合は区切った上で静かになるのを待ってから次へ進む。
と考えれば、結果的にカエスーラのほうが時間が長くなります。
ざっくり言えば、コンマの瞬間は次へ続くための動きがある間、カエスーラの瞬間には動きのない静かな間を必要としていると思います。本当にざっくり。
フェルマータとセットで出てきた
フェルマータで伸ばした音のあとにコンマやカエスーラが付いていることがあります。
フェルマータの後なにも記号が無ければ、そのままつなげて次の音へ移ることができます。
(もちろん音を切って、次の音へ移る場合もあります。)
コンマの場合は息継ぎ、あるいは息継ぎ程度の間をあけて次の音へ入る。
カエスーラの場合は静かになるのを待ってから、次の音へ入ると良さそうです。
どのぐらいの間がいいのか?分からないときは聴いてもらおう!
打楽器で気を付けること
特にカエスーラの場合、休止・中断とはいえ「休む時間」ではないので積極的に「間」を演奏しているつもりでいると良さそうです。
このタイミングでの譜めくりも控えたいですね。
持ち替えや楽器移動が必要な時は間を壊さないよう、目立たないように工夫を是非してみてください。
打楽器アンサンブルまとめ
まとめ
- コンマは読点、息継ぎ
- カエスーラは音楽的時間の休止・停止・中断
- コンマ<カエスーラ
楽譜に書かれたことを読み解くには、音楽を「文章、段落、文、文節、単語」のように多層的に分けて考える必要があります。
作曲者はコンマやカエスーラをわざわざ付けています。
コンマやカエスールをヒントに音楽作品を読み解き、ぜひ説得力のある演奏を目指してみてください!
それでは、また!
休符はただの休みじゃない!という話
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