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4本マレット基本の持ち方「トラディショナル・グリップ」

4本マレット

今回は4本マレットの基本的な持ち方「トラディショナル・グリップ」について書いていきます。

4本マレット・グリップの特長

4本マレットの持ち方は以下に分けられます。

  • クロス・グリップ(ディペンデン・ドグリップ)
  • ノンクロス・グリップ(インディペンデント・グリップ)

手の中で交差させるかどうかの違いです。

今回の「トラディショナル・グリップ」はクロス・グリップです。

  • 手が小さくてもホールドしやすい
  • 安定感があり比較的習得しやすい
  • ノンクロスよりも音量が出せる
  • 内側2本の操作性が高い
  • パワー系
  • 4本それぞれを独立して操作することは難しい

といった特徴があります。

4本マレットの持ち方

トラディショナル・グリップは左右対称です。
右手の持ち方で説明していきます。

まず、外側にくるマレットを下に、内側にくるマレットを上にして重ねます。(写真1)

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(写真1)

親指、人差し指、中指~小指をマレットの内側・真ん中・外側に入れて持ちます。(写真2)

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(写真2)

薬指と小指でクロスした部分を持ち、中指も曲げてマレットを支えます。(写真3)

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(写真3)

【少し開いた状態】内側のマレットを親指の側面で押さえ、人差し指の第2関節と第3関節の間で外側のマレット押さえます。(写真4)

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(写真4)

写真のように、親指は第2関節~爪の横がマレットについていると操作しやすいです。

ただし慣れないと痛めることもあるので、開閉動作が激しくなければ親指の第1関節と第2関節の間でマレットをおさえて弾くことも出来ます。

MEMO
指の付け根が第1関節、第2関節、指先に一番近いのが第3関節です。

4本マレットの動かし方

マレットを開いて閉じる様子の動画です。

※手が小さくホールドが難しい場合など、交差した部分に輪ゴムをはめて安定化させるやり方もあります。

解説

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(写真5)この状態からスタートしてみます。

開くときは親指と人差し指を使って左右に押し開きます。(写真6)

親指はマレットとマレットの間に入れて押し開く感覚です。(写真5と6の親指の位置に注目)

中指は外側のマレットについていきます。

マレットが広がるにつれ、第3関節を曲げていた薬指・小指は少し真っすぐになっていきます。(動画参照)

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(写真6)

(かなり大きく開いた時は薬指はクロスした部分から離れ、小指のみでクロスした部分を持つことになります。)

閉じるときは親指をマレットの外側に出せば自然と閉じていきます。

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(写真7)

2度など狭い音程を弾くときは、人差し指を軽く引き抜きます。(写真6と写真7の人差し指に注目)

逆トラディショナル・グリップ

マレットの重ね方を逆(内側が下、外側が上)にして同じように持って弾くことも出来ます。

奏法はほぼ同じですが、特徴が異なります。

特長を知ったうえで、
初めての場合は手になじむかどうかで「トラディショナル・グリップ」か「逆トラディショナル・グリップ」を使うか判断していいと私は考えます。

実際にこの持ち方で弾いているプロ奏者の方もいます。

逆トラディショナル・グリップには、

  • トップとベース(外側マレット)を鳴らしやすい(コラールなどの演奏に適している)
  • 干渉が少なく響かせやすい
  • トラディショナルに比べると音量が出しにくい
  • マレット同士が当たってカチカチ鳴りやすい
  • (若干)開閉が速い
  • 6本マレットに移行しやすい

などの特長があります。

MEMO
この逆の持ち方を「バートン・グリップ」と呼ぶ人もいますが、実際「バートン・グリップ」は持ち方のみならず奏法も全く異なり、「トラディショナル・グリップ」を単純に反転させたものではありません。
持ち方が逆になるだけで「トラディショナル・グリップ」と大きく奏法が変わらないのであれば「逆トラディショナル・グリップ」と呼ぶべきだと思います。

まとめ

以上、トラディショナル・グリップの持ち方と動かし方でした。

詳しい奏法はまた次の機会に書いていきます。

それでは、また!

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