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4本マレットのマッサー(ムッサー)・グリップとは

4本マレット

今回は4本マレットも持ち方の一つ、マッサー(ムッサー)・グリップについて書いていきます。

持ち方の種類としては

  • トラディショナル・グリップ
  • 逆トラディショナル・グリップ(仮称)
  • バートン・グリップ
  • スティーヴンス・グリップ
  • マッサー(ムッサー)・グリップ

が挙げられます。
(もくじ・「補足:グリップの種類」をクリックしてジャンプ、持ち方動画が見られます)

一般的なトラディショナル・グリップについてはこちら↓

4本マレット 4本マレット基本の持ち方「トラディショナル・グリップ」

曲によって持ち方を変える、というよりは1つのグリップを選んで使っていくことは一般的かと思います。

もちろん、人それぞれで幾つかのグリップを習得している人もいますし、特殊な持ち方・扱い方をしている奏者もいます。

今回は他グリップに比べマイナーな「マッサー・グリップ」に注目してみます。

マッサー(ムッサー)・グリップとは

マリンバ奏者であり発明家のクレア・オマー・マッサー氏が考案したグリップです。

(マッサー氏は鍵盤打楽器ブランドとして知られるマッサーmusserの創業者で、作曲もしています!)

2本のマレットが手の中で交差するトラディショナル・グリップやバートン・グリップとは異なり、マッサー・グリップは交差しないグリップです。

交差しないグリップとして知られている「スティーブンス・グリップ」の元になったのがこの「マッサー・グリップ」でした。

持ち方

Mike Mainieri feat. by WDR BIG BAND | Looking Back – Moving On – Mainieri’s Continuum | Part 1/2より

人差し指支点の2本マレットの持ちかたに、追加のマレットを小指持つ(ひっかける)そうです。手の甲は上を向きます。

基本的にクロスさせない持ち方ですが、演奏動画を見ていると時々クロスさせている(!?)という指摘もあります。

特徴

クロスグリップに比べ音量が小さい弱点がありますが、4本を独立させて繊細にコントロールすることができます。

また、2本マレットの持ち方からほぼ変えずに外側2本を持つので、内側2本がかなり操作しやすいそうです。

普及

マッサー・グリップの改良版であるスティーヴンス・グリップが考案されるまでは、トラディショナルグリップと並んで広く使われていたようです。

現在では使い手が少ないせいか、他のグリップに比べて情報が極端に少ない印象です。

演奏の様子

マッサー(ムッサー)・グリップの奏者、いました!

マイク・マイニエリ(Mike Mainieri,1938年7月4日[1] – )はニューヨーク州ブロンクス出身で、ジャズ・フュージョンで活躍するヴィブラフォン奏者。(中略)

ジャズ界では少ないムッサー・グリップの奏者(ジャズではゲイリー・バートンが広めたバートン・グリップが主流)。

Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%83%8B%E3%82%A8%E3%83%AA

マッサー・グリップの小さい音量を補うために、ピックアップ(楽器にくっつけるマイク)を使って演奏しているそう。

ムッサー・グリップの弱点(音量が出ない)をエレクトリック・アタッチメントの併用で克服したシンセ・ヴァイブの第一人者でもある。代表作に「ラヴ・プレイ」がある。

Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%83%8B%E3%82%A8%E3%83%AA

そのマイク・マイニエリ氏、この動画が手元見やすいです。

まとめ

マッサー・グリップの特長は

  • 交差しないグリップのひとつ
  • 比較的音量が出せない
  • 内側2本の操作性が高い

といったところですね。

また他のグリップについても書いていきます。


それでは、また!

補足:グリップの種類

トラディショナル→バートン→スティーヴンスの順で説明しています。

参考

赤松敏弘Vibraphone Connection・談話室

Taki’s blog