鍵盤打楽器の基本となる2本マレットの練習。
初心者はもちろん、さらにステップアップしたい人にもおすすめの練習曲集「王道の2冊」を紹介していきます!
目的に応じて選んでみてください。
ストーン:マレットコントロール
Stone,G.L. : Mallet Control Revised Edition
ストーン著: シロフォンのための「マレット・コントロール」 改訂版
アルフレッド社
・太鼓工場の家に生まれ、オーケストラの打楽器奏者、打楽器講師
・全米ルーディメント・ドラマー協会(NARD)を創設、長年会長を務めた
・NARDは「5つ打ち」「パラディドル」など、現在知られているスネアドラムのルーディメンツを分類、整理した団体
・教え子の一人ににヴィック・ファースがいる(スティックやマレットのメーカーとして知られるVic Firths社の創設者)
・スネアドラムの基礎中の基礎練習本「スティックコントロール」の著者
タイトルに「シロフォン」とありますが、マリンバやヴィブラフォンにも使えます。
古い本ですが、あなどることなかれ!
・シングルストローク
・ロール
・スケール
・半音階
・アルペジオ(分散和音)
・インターヴァル(距離感覚)
・装飾音符
・マレットの交差
・ダブルノートetc.
マレットのコントロールの基礎がギュッと詰め込まれています。
- スケール練習が小分けに・段階的に作られている(初心者も安心!)
- ほぼ全ての譜例に手順が書いてあるから迷わない
- 全てが単純明快でシンプルな内容。テクニックに集中できる
- 各ページの課題が明確で、目的を持って練習できる
- 全調スケールのページあり
- ページ数は55ページ、A4で持ち運びやすい
- 曲っぽくないので取っつきにくい可能性あり
- ほぼ全ての譜例に手順が書いてあるせいで譜例が少し見づらい
初心者にはもちろん、テンポや調を変えれば上級者まで使えるシンプルな練習パターンが用意されています。
とにかくシンプルにマレットコントロールを、テクニックを磨きたい人向けです。
ゴールデンバーグ:鍵盤打楽器のためのモダンスクール
Goldenberg : Modern School for Xylophone, Marimba, Vibraphone
ゴールデンバーグ : モダン・スクール – シロフォン・マリンバ・ヴィブラフォンのための
・オーケストラの打楽器奏者、打楽器講師
・ティンパニに関する本も書いている
・テレビ、映画、ラジオ、レコーディングスタジオでも演奏した
・打楽器の基礎「モダンスクール・フォー・スネアドラム」の著者
マレットコントロールにも取り上げられていた
・ロール
・スケール
・半音階
・アルペジオ(分散和音)
・ダブルノート
に加えて、モダンスクールには
・調に慣れるための練習曲
・様々な拍子、連符などのリズム練習
・様々な雰囲気の練習曲
・オーケストラスタディ(オーケストラの有名曲の鍵盤打楽器パート譜)
が含まれています。
音楽的な練習曲のなかでマレットコントロールやテクニックを磨いていくタイプの本です。
- 親しみやすいメロディの練習曲が前半に多い
- 2本マレットのテクニックを徹底的に磨くことができる
- 様々なタイプの練習曲で表現も磨くことができる
- 様々なリズムや拍子の練習ができる
- 全調スケール&各調ごとに短い練習曲がある
- 後半の練習曲の難易度が高い
- 手順は最低限しか書かれていない
- ページ数は131ページ、A4で分厚い
- 使いこなすには音楽用語・速度記号の知識が必要
後半にある39曲の練習曲は、打楽器のコンクールや音楽大学の入試課題曲にもなっています。
前半は初心者にも対応していますが、後半は譜読みも難しいため中~上級向けです。
音楽高校・音楽大学を目指すなら絶対に必要な練習曲集ですが、譜読みが苦手な場合は後半を使いこなすことができないかもしれません。
まとめ
マレットコントロール:とにかくシンプルな内容でテクニックを磨くことに集中できる
モダンスクール:シンプルな譜例+音楽的な練習曲で総合的な演奏力を磨いていく
以上、鍵盤打楽器2冊の王道練習曲集の紹介でした!
練習曲集を全部やる必要はなく、全部弾けるようになったからと言って必ずしも上手くなるとは言えません。
結局のところどの練習曲をやるかではなく、「何を考えてやるか」が一番大切です。
練習曲集選びの参考になれば幸いです。
それでは、また!