打楽器の楽譜に出てくる鈴。
一口に「鈴」といっても様々な種類のものがあります。
今回は演奏する音楽に合わせて鈴の振り方や種類にこだわってみよう!というお話です。
どんな曲、どんな場面か?
赤ちゃんでも鳴らせてしまう鈴。
演奏する曲に合わせて楽器を選んだり、鳴らしかたを変えたりしてベストな音を鳴らすことが打楽器奏者の使命です。
どんな曲、どんな場面で鈴が使われているか?考えてみます。
まず、大きなヒントとなるのが曲のイメージ。
西洋風か?和風か?で今回は考えていきたいと思います。
西洋風の代表:スレイベル
sleigh bellsまたはJinglesと表記されます。
スレイ=「そり」の意味で、クリスマスの「シャンシャンシャンシャン…」に合うのはこの鈴。
学校にある鈴はほぼスレイベルだと思います。
上記タイプのスレイベルはゴージャスでどっしりした感じの音です。
(楽器自体もわりと重い)
和風の曲なら下で紹介する「神楽鈴」のほうが合いますが、もちろんスレイベルで代用することもできます。
片手や両手で持って振る、など神楽鈴をイメージした奏法を使うのも良さそうです。
実は上記のスレイベル、扱いやすい半分サイズもあります!
鈴の数が減るので音量は少し小さくなりますが、音の通りは良さは変わりません。軽く歯切れが良くなります。
和風の代表:神楽鈴
スレイベルに比べ細く、甲高く澄んだ音色です。
神聖な見た目と相まって、一振り一振りが特別なものになりそうですね。
神楽鈴は巫女が神楽舞(巫女舞)を舞う時に持つ鈴です。
神楽(かぐら)とは、「神座」(かむくら・かみくら)が転じたとされる言葉で「神の宿るところ」「招魂・鎮魂を行う場所」を意味し、そこでの歌舞が神楽と呼ばれるようになったとされるそうです。
元来、鈴には魔除け、神様を呼ぶ効果があると言われ、神社の参拝時に鳴らす鈴にも同じ意味があります。
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神社の儀式のみならず、古墳から出土した鏡にも鈴がついていたりします。
太古の昔から、日本人にとって鈴は特別な存在だったようです。
特に和風の曲で使うときは鈴の歴史や意味合いを調べて、イメージを膨らませてみるのもいいですね。
高級な神楽鈴の音色を聴いてみる
他の打楽器に比べてあまり音量調節ができないので、音量を出したいときは2本持ったり演奏する人を増やして鳴らすこともあります。
イメージが大切
とにかく洋風ならスレイベル、和風なら神楽鈴を振っておけば良い
ということではなく、「何を使うかではなく、どう使うか」が大切だと思います。
残念ながら他の楽器に比べて鈴の音色はあまり変えられないのですが、振り方やタイミング、スピードを工夫することはできます。
作曲者がどんな鈴をイメージしているか?
その場面にはどんな音色が合うか?
イメージを持って鳴らしましょう!
ベル=グロッケンの場合もある!?
海外の楽譜で「Bells」と表記され、音程があればグロッケンの可能性もあります。
また、Tubular Bells(チューブラーベル)だと鐘、チャイムの意味になります。
まとめ
- 西洋のスレイベルと日本の神楽鈴は音の印象が全く違う
- イメージを持つ
- 振り方やタイミング、スピードを工夫する
- 何を使うかではなく、どう使うか
簡単に音が出せてしまう楽器だからこそ、こだわっていきたいですね!
それでは、また!