今回は2026年度吹奏楽コンクール課題曲II「ザ・ガーズ」についてパーカッションのポイントをまとめていきます!
パートや人数が足りない場合についての対応方法がまとめられている全日本吹奏楽連盟の課題曲演奏の注意事項も合わせてお読みください。
曲全体
四分音符=112で少し落ち着いたテンポの行進曲です。
一歩一歩、一拍一拍に活力がみなぎる、格式高く落ち着いたテンポ感とサウンドで演奏したいですね。
似たような行進曲として、イギリス軍隊で伝統的に演奏されている「ブリティッシュ・グレナディアーズ」や、エルガー作曲の「威風堂々」を聴いてみるのもオススメです。
拍子について
「ザ・ガーズ」は4分の2拍子で書かれています。
え?4拍子でも変わらなくない?と思った方はこちら↓の記事をどうぞ!
2拍子と4拍子は別物!!!
シンコペーションについて
強拍(1拍めや表拍)よりも弱拍(2拍めや裏拍)の音価が長くなる場合はシンコペーションが起きます。
この曲では1~2小節目や13小節目のようなリズムが何度も出てきます。(ティンパニは13小節目一部しか参加してないですが…)

本来強拍にあるはずのアクセントが弱拍に移動するので、強弱が変わらない程度に勢いをつけてあげるとリズミカルな演奏になります。
話すときに軽くアクセントをつけるようなイメージです。
(アクセントがついている場合は、さらに差をつけてください)
また、この曲は小編成での演奏も想定しており、パーカッションはティンパニとスネアの最低2名でも成立するようになっています。3人の場合はティンパニ・スネア・バスドラムで演奏しましょう。
ティンパニ

ティンパニはフレーズや場面の最初と最後を引き締めたり、リズムを強調したりする役割をもっています。
オーケストラではティンパニが「第2の指揮者」と言われるほど、強い支配力を持っています。
特に重要なハーモニーの動き(作品解説にもある「カデンツ」など)にティンパニが入ることで、合奏全体が「シまる」んですね。吹奏楽でも全く同じです。
「山に登りました。」という文章を読み上げる時に、最後の「た」を高く強く発音してしまうと、「山に登りました?」に聞こえてしまいますよね。
音楽も同じで、「イントネーション」や「区切り」を適切につける必要があります。
部分によっては何通りかの区切り方ができたり、大きく区切るか小さく区切るか正解が1つではない箇所も出てくると思います。最後の音が始まりの音と重なっていたり、パートによって区切りの位置が少し異なる場合もあるでしょう。
バンド全体の流れを敏感に捉えながら、堂々と演奏していきましょう!
ティンパニ奏者は「第2の指揮者」と呼ばれるほど役割としても音としても影響力があり、プロのオーケストラでは「ティンパニ奏者」「打楽器奏者」と分かれていて、なんと給料も変わってきます!
イントロ・A
最初の音など、
「あれ?これ四分音符で書いてもいいんじゃないの?」
という箇所が時々出てきますが、全て理由があって書き分けられています。
休符で必ずしも音を止める必要はないですが、意識するだけで演奏が大きく変わってきます。
ピアノで音価通りに弾いてみたり、低音楽器の吹き方を真似してみるのもおすすめです。
以下の記事も参考にしてみてください。
打楽器の八分音符+八分休符と四分音符は同じなのか?
メロディや低音パートを歌いながら自分のパートをたたいていくと、管楽器とよくまとまります。
自分のパートだけでなく、低音パートの動きを把握して一体感を持って演奏していきましょう!
10小節以降は引き締め役ですね!
堂々と、くっきりした音で演奏していきましょう!
また、アクセントは「強く」だけではなく、「濃く」「深く」「広げる」などとも考えることができます。
横型アクセントと縦型アクセントも使い分けられています。
この曲の場合、横型アクセントは流れの中でのアクセント、縦型アクセントは流れが変わるような特別な瞬間に置かれたアクセント、と考えてみるのもよさそうです。
13小節目の縦型アクセントは低音とパーカッションしかおらず、強烈なシンコペーションが起きています。
「ただ強く」にならないように使い分けてみてください。
B
メロディや低音楽器を歌いながら、一体感をもって演奏していきましょう!
休符は軽くミュートするとスッキリ聞こえます。(完全に響きを止めなくても効果はあります)
ノリが悪い原因は「休符」にあった!?~休符も歌ってリズミカルに!
C
出ました!引き締め役!
低音楽器やバスドラムと一体感をもって演奏していきましょう!
57小節目は他の楽器がやってきたクレッシェンドや高揚感を受け取って入っていきましょう!
D
ロール=「連打」ではなく、「音を伸ばす」です!
細かくたたくことよりも響きを意識してください。
楽器は違えどロールの基本は同じ!
サスペンドシンバル(S.Cym.サッシン)のコツと練習方法・ロール編【動画あり】
F・G
しばらく休みが続いた後に入りますが、直前の低音楽器の下降系を受け取って入りましょう!
「G」1拍目は伸ばすと濁るので、2拍めで音価どおりにミュートしてください。
ティンパニは大きな楽器になるほど音が大きくなりやすい上に音色をコントロールしにくくなり、小さな楽器になるほど音が軽くなったり小さくなったりしやすいです。どの楽器でも音の重さや音色がそろうように、意識して演奏してみてください。
I
引き締め役ですね!
1小節前のクレッシェンドを受け取って、バスドラムと一緒にキメていきましょう!
160小節目からのロールはつながらないように、くっきり叩き分けていきましょう!
ロールを早めに切り上げる、ロールのアタックをはっきりさせてあとは少しゆるめる、など試してみてください。
太鼓系打楽器アンサンブル、音色に変化をつけるには?まず4種類!
K
187小節~200小節の八分音符の音は軽やかにしてアクセントとの差をつけていきましょう!
ラスト4小節前、3小節前はパーカッションのソリです!
ラスト2小節前の1拍目に向かって華やかに盛り上げていきましょう!
Perc.1 スネアドラム

スネアはテンポキープの役割を持ちながら、管楽器の動きを輪郭づけたり引き締めたりしています。
リズムの正確さと左右の粒の均等さは大切ですが、ただ機械的にたたくだけではマーチの躍動感が失われます。
一緒に動いている管楽器を歌いながらたたいてみるなどして、フレーズ感やイントネーションをつけていきましょう!
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イントロ・A
管楽器と似た動きをしています。
スネアだけども音程を出すような・歌うようなイメージでたたいてみると、一体感が生まれます。
この作品では、スネアのロールをいかにコントロールするか?ブリティッシュマーチに合ったイントネーションで演奏できるか?がカギになってきます。
アクセントは「強く」だけではなく、「濃く」「深く」「広げる」などとも考えることができます。
横型アクセントと縦型アクセントも使い分けられています。
この曲の場合、横型アクセントは流れの中でもアクセント、縦型アクセントは流れが変わるような特別な瞬間に置かれたアクセント、と考えてみるのもよさそうです。
13小節目の1拍め表拍は装飾音符がついています。バンド全体の引き締め役、キメの音です。
装飾音符はついていない音に比べて勢い、スピード感、アクセントが必要な音についています。
1拍め裏拍の縦型アクセントは、強烈なシンコペーションを引き立たせています。
イントロの締めくくりにふさわしい、見せ所ですね。アクセントが「ただ強く」にならないように使い分けてみてください。
B
1~3小節・5~7小節は木管・ホルンと、4小節・8小節は低音と同じ動きをしています。
管楽器にはスタッカートをはじめアーティキュレーションが付いています。
歌うように、軽やかに演奏していきましょう!
だんだん落ち着いていく流れになるので、8小節目は2拍め頭で終わっています。
フレーズの終わりなので、おさめるように演奏していきましょう!
C
①ロールの後タイでくっついている単音
②7小節目のようにタイ後にロールが続く場合
③8~10小節めのようにロール後の音がタイで繋がっていない場合
は、厳密にはそれぞれ叩き方が異なります。
①隙間なくロールをつなげてタイ後の音を軽く叩く
②叩きなおし無しでロールをつなげる
③わずかに間を空けて次の音に入る
③の場合は、ロールの頭が毎回アクセントにならないように気を付けていきましょう。
ロールの弾ませ下限をコントロールしたり、手数を減らすのも手です。
F
ピアノ・メゾピアノなどの強弱記号は「弱く」にとらわれず、「静かに」「遠くから」などイメージを持って表現していきましょう。
小さな音量でも元気に、リズミカルに!
メロディが安心して演奏できるように、静かな音でもバッチリ支えていきましょう!
小さく叩くのが苦手!「ピアノ・弱音」でいい音を出すコツとは?
4小節ごとに2拍めに十六分音符が出てきます。
低音楽器と一緒に、次のフレーズに向かう推進力を出しているんだ!という自覚をもって演奏していきましょう!
自分の役割を理解して演奏すると、一気に説得力のある演奏になります!
G
威風堂々と同じパターンのリズムです。一打一打で音楽を前に進めるように、堂々と格式高く演奏していきたいですね!
8小節目の1拍めの裏から始まっている(三連符から新しく始まる)ように演奏していきましょう!
トロンボーンの動きを引き立たせる役割を持っています。
H・I
メインテーマが戻ってくる「J」に向けて、緊張感や期待感が膨らんでいく場面です。
同じ動きをしている中低音の吹き方やテンションに合わせて演奏していきましょう!
K
2拍めの十六分音符は次の小節へ向かう推進力!
ラスト4・3小節前はパーカッションのソリです!
ラスト2小節前の1拍目に向かって、華やかに盛り上げていきましょう!
Perc.2 シンバル

シンバルとバスドラムは切っても切れない「ニコイチ」です。
基本的に音量はシンバル<バスドラムだとブレンドしやすいです。
バスドラムの低音に乗っかって、華やかに鳴らしていきましょう!
シンバルは音楽を華やかに盛り上げる役割をもっています。
他の言葉を使えば、シンバルが入るとゴージャスな、リッチな雰囲気になるんですね。
その分、音も目立ってしまうので場面によって音量や音色をコントロールしていきましょう!
合わせシンバル(クラッシュシンバル)をイイ音で鳴らすための基本3つ
イントロ・A
バスドラムと一体感を持ちながら、シンバルで音程を出すつもりで管楽器の明るいハーモニーに参加していきましょう!
シンバルとしての存在感を保ちつつ、管楽器と馴染む明るい音色がいいですね。
中低音と一緒に動いています。
階段を降りるように動いていた低音が5小節目で長い音に到達します。
シンバルも5小節目に頂点を、ここからロングトーンするつもりで鳴らしていきましょう!
アクセントは「強く」ではなく、「濃く」「深く」と様々なイメージを使い分けていきいましょう!
10・12・13小節目は八分休符で凝縮されたエネルギーを勢いよく放出するイメージで!(これがシンコペーション)
31小節の2拍めは、十六分音符で高音が駆け上がった頂点であり、低音が降りきった頂点でもあります。
直前のほかパートの動きを受け取って入りましょう!
「B」1小節前も叩きたいところですが休符になっています。「B」からいったん落ち着くからですね。
B
低音の裏拍が続く伴奏型…威風堂々にも似たような伴奏型があります。参考にしてみてください。
イントロや「A」に比べて一段階落ち着いた場面になるので、バスドラムと低音と音色を混ぜてコンパクトにまとめていきましょう。
アクセントの付いた音には「キレの良さ」「スピード感」が求められることがあります。
コツをつかむには色々な方法がありますが、音のスピード感は打面を手で押して空気穴から出てくる風を速くする練習がおススメです。↓
C
メゾピアノですが、推進力やエネルギーが必要な場面です。
1拍めの休符でためたエネルギーを2拍めで放つように演奏していきましょう!
F
フルートをはじめ高音木管とリンクした動きをしています。
メゾピアノでもリズミカルに、メロディをキラキラさせてあげましょう!
G
威風堂々の中間部と同じパターンのリズムです。参考にしてみてください。
一打一打で音楽を前に進めるように、堂々とたっぷりと演奏していきましょう!
H
豪華な「G」からパッと雰囲気を切り替えて、軽やかで推進力のある演奏にしていきましょう!
メロディと一緒に、2小節目や6小節目の八分音符をアウフタクトでとらえると一体感が増します。
I
入る1小節前のトロンボーンやホルン、トランペットを聴いて、頂点を引き立たせてあげましょう!
K
同じような音型が3回続きますが、3回ともハーモニーが変わっています。
シンバルもハーモニーに参加するつもりで、3回の変化を感じながら演奏してください。
ラスト4・3小節前はパーカッションのソリです!
ラスト2小節前の1拍目に向かって、華やかに盛り上げていきましょう!
Perc.3 バスドラム

低音パートと意気投合しましょう!
それからシンバルとバスドラムは切っても切れない「ニコイチ」です。
シンバルの華やかさをバスドラムの低音で支えていきましょう!
基本的に音量はシンバル<バスドラムだとブレンドしやすいです。
アクセントは「強く」ではなく、「濃く」「深く」とイメージしたほうが良さそうです。
打面だけではなく裏側の皮も振動することを意識して、低く頼もしい音で演奏していきましょう!
四分音符は四分音符だけど…?
バスドラムはスネアドラムと共にテンポキープの要(かなめ)になります。
メトロノームを裏打ちor2拍めでも鳴らして練習して、テンポキープ力を磨いていきましょう!
イントロ・A
シンバルや低音楽器と一体感を持ちながら、バスドラムで音程を出すつもりで管楽器の明るいハーモニーに参加していきましょう!
練習時にチューバの左側で一緒に演奏して、息の使い方やブレスを真似してみるのもオススメです。
中低音と一緒に動いています。
階段を降りるように動いていた低音が5小節目で長い音に到達します。
バスドラムも5小節目に「たどりついた!」感をもって演奏していきましょう!
31小節の2拍めは、十六分音符で高音が駆け上がった頂点であり、低音が降りきった頂点でもあります。
直前のほかパートの動きを受け取って入りましょう!
アクセントは「強く」だけではなく、「濃く」「深く」「広げる」などとも考えることができます。
横型アクセントと縦型アクセントも使い分けられています。
この曲の場合、横型アクセントは流れの中でもアクセント、縦型アクセントは流れが変わるような特別な瞬間に置かれたアクセント、と考えてみるのもよさそうです。
13小節目の縦型アクセントは低音とパーカッションしかおらず、強烈なシンコペーションが起きています。
「ただ強く」にならないように使い分けてみてください。
さらに、バスドラムの楽譜では珍しい二分音符が出てきます。
(この曲の中では5回しか出てきません)
四分音符+四分休符ではなく、あえて作曲者は二分音符を書いています。
ミュートするしないだけの問題ではないので、叩き分けていきましょう!
四分音符+四分休符と二分音符、どう叩き分ける?
B
低音の裏拍が続く伴奏型…威風堂々にも似たような伴奏型があります。参考にしてみてください。
イントロや「A」に比べて一段階落ち着いた場面になるので、シンバルや低音と音色を混ぜてコンパクトにまとめていきましょう。
アクセントの付いた音には「キレの良さ」「スピード感」が求められることがあります。
コツをつかむには色々な方法がありますが、音のスピード感は打面を手で押して空気穴から出てくる風を速くする練習がおススメです。↓
C
メゾピアノですが、推進力やエネルギーが必要な場面です。
1拍めでためたエネルギーを2拍めで放つように演奏していきましょう!
D
81小節目は次の場面に向けた変化が起きる、重要な瞬間です。
直前のスネアドラムや管楽器から受け取って入りましょう!
E
メゾピアノでも推進力が必要です。
低音との一体感をもって、音色も管楽器に混ぜていくようにすると雰囲気に合うと思います。
「F」直前でデクレッシェンドで終わっています。「F」からの低音楽器の伸ばしに溶け込むように、スネアにバトンを渡すように、つなげていきましょう。
I
メインテーマが戻ってくる「J」に向けて、ここから緊張感や期待感が膨らんでいく場面です。
直前のクレッシェンドを受け取ってキメの一発を!
2小節目や3小節目にシンコペーションが起きています。リズミカルに演奏していきましょう!
K
同じような音型が3回続きますが、3回ともハーモニーが変わっています。
バスドラムもハーモニーに参加するつもりで、3回の変化を感じながら演奏してください。
ラスト4・3小節前はパーカッションのソリです!
ラスト2小節前の1拍目に向かって、華やかに盛り上げていきましょう!
終わりに
以上、2026年度課題曲2「ザ・ガーズ」打楽器演奏のポイントでした!
スコアを読み込むことで、
「どう演奏したらいいか?」
「この音にはどんな役割があるのか?」
知ることができます。
スコアや楽譜の読み解き方はこちらの記事を参考にしてみてください。
役割が分かれば単純な伴奏も最高に楽しい!~ショーに例えて分かりやすく解説
打楽器の出番少ない!つまらない!いやスコアを読めば面白くなる!
また、「打楽器の音が大きすぎる!」「管楽器と混ざらない!」問題については以下の記事を参考にしてみてください。
打楽器うるさい問題、弱くたたくだけでは解決しない!?~管楽器とブレンドする方法
それでは、また!
