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【管楽器も初心者も】メトロノームをアフタービートで鳴らして安定したテンポ感へ!

どうも!打楽器の吉岡です。

メトロノームだけでできるテンポ感アップの方法とは…?

ずばり、
「メトロノームをアフタービートで鳴らして練習する」
です。

MEMO
アフター・ビートとは4拍子の曲の2拍4拍のような偶数拍、または弱拍(裏拍)のこと。

※厳密にはテンポ感というより「拍感」「ビート感」のほうが合っているかもしれません…このあたりの言葉の使い分けについてはまたの機会に詳しく書いていきます。

今回はその練習方法と、テンポ感アップの理由について書いていきます!

誰でも始められる!

かれこれ10年以上、関東を中心に小学生や中学生、高校生の吹奏楽部打楽器パートのレッスンをしてきました。
また、現在も部活動指導員として管楽器も含めた指導をしています。

「メトロノームをアフタービートで鳴らして練習する」のは、どこでやってもテンポ感の安定を実感できました。

メトロノームが鳴る位置が変わるだけなので、初心者でもすぐに始められるシンプルな方法です。
四分音符を手拍子したり歌うだけでも十分効果があります。

後半に理由も載せていきますが、だまされたと思ってまずはトライしてみてください!笑

必要な物

・メトロノーム(電子でも機械式でも)

・自分の楽器や練習台(なくてもいい)

やりかた~レベル1

行進曲(四分音符=120)のイメージで進めていきます。

レベル1では2拍目と4拍目にメトロノームが鳴るようにして四分音符を演奏します。

メトロノームで120を鳴らす

聞いて、テンポを覚えましょう。
口や手で1、2、3、4、とテンポを取るとイイです。

メトロノームを止めて半分のテンポにセットする

口や手でテンポを取ったまま!
テンポ覚えておいてください!

2、4で鳴るようにメトロノームを鳴らす

口や手で取っていた「1、2、3、4、」の2と4拍目で鳴るようにメトロノームを鳴らし始めます。
電メトなら2と4のタイミングで押せばピッタリ鳴ってくれるはずです。

いかがでしょうか?
安定して120のテンポを取り続けられましたか?

慣れてきたら、打楽器は普段の基礎練習で、管楽器はスケールやタンギング練習でやってみると良さそうです。

更に慣れてきたら、2・4拍めに鳴るメトロノームに合わせて曲を演奏してみましょう!

図解

上:楽器 下:メト

ドレミファソラシドで演奏した場合、
2拍め4拍目のレ、ファ、ラ、ドでメトが鳴ります。

やりかた~レベル2

行進曲(四分音符=120)のイメージで説明していきます。

レベル2では裏拍にメトロノームが鳴るようにして四分音符を演奏します。

説明は120で進めますが、四分音符=60など少しゆったりめのテンポからはじめるとやりやすいです。

メトロノームで120を鳴らす

聞いて、テンポを覚えましょう。
片手で四分音符を、口は1と、2と、3と、4と、と八分音符でテンポを取っておくとイイです。

メトロノームを止め

口や手でテンポを取ったまま!
テンポ覚えておいてください!

裏拍で鳴るようにメトロノームを鳴らす

口や手で取っていた「1と、2と、3と、4と、」の「と」で鳴るようにメトロノームを鳴らし始めます。
電メトなら「と」のタイミングで押せばピッタリ鳴ってくれるはずです。

いかがでしょうか?
安定して120のテンポを取り続けられましたか?

慣れてきたら、打楽器は普段の基礎練習、管楽器はスケールやタンギング練習でやってみると良さそうです。

更に慣れてきたら、裏拍で鳴るメトロノームに合わせて曲を演奏してみましょう!

図解

上:楽器 下:メト

ドレミファソラシドで演奏した場合、
各音の間でメトが鳴ります。

なんでテンポ安定するの?

一般的に「テンポが不安定」「リズムが不安定」「リズムのノリが悪い」原因として、

  • 自分が弾くリズムのことしか考えていない(=拍を感じていない)
  • 拍の感じ方が弱い
  • 拍の感じ方があいまい

などが考えられます。

アフタービートでしかメトロノームが鳴らない場合は自分で拍を作らなければ演奏できません。
誰にも頼らずに、大事な1拍目や表拍を自分で作らなければなりません。

受動的なテンポ感から能動的なテンポ感へ。
メトロノームにただ合わせるのではなく自分の中にメトロノームを持つ、ということだと思います。

合奏となれば指揮に合わせたり周りの人に合わせればなんとか演奏できます。

しかし、ひとりひとりが自分の中にメトロノームを持つことで、よりリズムは鮮明に躍動的になり、合奏全体が生き生きとしてくるはずです。

ノリが悪い、テンポが良くない原因は「休符」にあった!?~休符も歌おう!

よりみち・リズムは運動!?

人間が音楽を聴いた時、リズムの認知は聴覚野のみならず運動前野、大脳基底核、小脳も使うそうです。

ただ「音」として処理されるだけでなく、身体運動と結び付けて認知します。

つまりはこの「メトロノームをアフタービートで鳴らして練習する」は「音」と「身体運動」との結びつきをスムーズに連動させる訓練になるのかもしれません。

ちなみに、カール・ビューヒャー氏は「音楽にリズムがあるのではない。リズムは人体の運動に根ざしており、それが音楽の根源にあるのだ」と主張しています。

すでに古代ローマでも同じように考えられていたようです。

休符も歌って安定したリズムに

MEMO
なんと、カール・ビューヒャーはドイツの経済学者!著書「労働とリズム」で労働とリズムの関係を実証的に研究し、独自の音楽起源論を説いています。

まとめ

アフタービートでテンポ感アップ!
  1. 初心者も打楽器も管楽器もやってみよう!
  2. まずは四分音符から挑戦しよう!
  3. 自分で拍を作ろう!

ということで、メトロノームをアフタービートで鳴らしてテンポ感を手に入れよう!のお話でした。

それでは、また!

続編!さらにレベルアップするメト活用法

メトロノームは拍子どおり鳴らすだけじゃない!?テンポキープ力を磨く活用術

電メトVS機械メト

メトロノームを使い分ける!?

参考

・21世紀の音楽入門5・踊りー身体をとおして語るもの(教育芸術社)

・城音楽療法研究会第70回特別例会 脳・身体・音楽

・牧野 均/生駒 一憲 3人称イメージを用いた「一定リズム」と「一定でないリズム」の足趾の模倣運動を行った場合の脳活動部位の相違に関して