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打楽器の代用術~チャイム、フィールドドラム、クロテイル、ハープほか

こんにちは!打楽器の吉岡です。

そんな楽器、うちにはないよ!

その楽器、本番は持っていけないんだよね…。

といった時に使える、「打楽器の代用」について書いていきます!

コンサートチャイム

曲の雰囲気に合わせてグロッケンやビブラフォンで代用します。
チャイム自体は存在感のある音なので、代用するときはオクターブで弾いたり、ビブラフォンとグロッケンを重ねたりする場合もあります。

チャイムは重いハンマーで大きな金属を打つ楽器なので、そのイメージで演奏してみると雰囲気が出るかもしれません。

マリンバ

シロフォンで代用します。
シロフォンは楽譜上の音よりも1オクターブ上の音が実際出ています。
そのため、マリンバの代用で使う時は、1オクターブ下げて綿巻きや毛糸など柔らかめのマレットで演奏します。

大きな音板や共鳴管を持ったマリンバの丸い、豊かな響きをイメージしながら弾いてみると良さそうです。

ほぼ同じ木琴かと思いきや…歴史も仕組みも違う!

シロフォン鍵盤 シロフォンとマリンバの違いは鍵盤の裏を見ればわかる!?【木琴の調律と歴史】

クロテイル・アンティークシンバル

Crotalまたはantique cymbalsと表記されます。

クロテイル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

グロッケンで代用します。
神秘的な音色を持つ楽器で、弱音でもよく通る音です。
雰囲気に合わせて真鍮のマレットを使うこともあります。

本来の音色を聴いてイメージを膨らませよう!

テナードラム・フィールドドラム

tenor drumまたはField Drum (Military Drumと表記される場合も)

深い胴の太鼓で、スネア線が付いている場合と付いていない場合があります。
スネア線ありの楽器なのか無しなのか、作曲者によって認識が違うという厄介な楽器です。
楽譜上にon/offの指示が無い場合は、作曲された年代や音源などから推測するしかありません。

スネア線なしならドラムセットのフロアトムなど、スネアよりもピッチの低いトムを使います。
スネア線ありの場合は、スネアをいつもより少し低めにチューニングして使う、重め・太めのバチを使う、などで対応します。

番外編:ハープ

ビブラフォンやマリンバで代用します。

ハープは8本の指を使って演奏しますが、打楽器は2~4本のマレットで対応することになります。
弾きやすいように音を減らしたり、和音を組み替える場合もあります。

合奏で聞えないと本末転倒なので、無理に4本マレットを使うよりは2本マレットで対応したほうがいい場合もあります。
また、十六分音符のアルペジオが続いていて困難な場合は1拍ごとに分担するなどして、2人の奏者で弾くこともあります。

ハープの楽譜を鍵盤打楽器で弾く場合

グリッサンドに注意

ハープのグリッサンドは特殊で、いつものグリッサンドでは適さない場合があります。

たとえば♭3つのEs durの場合、
鍵盤打楽器でグリッサンドをすると「ミファソラシドレミ」となり、フラットを付けるはずの「ミ」「ラ」「シ」がナチュラルになってしまうので、とても濁ります。

黒鍵を入れてグリッサンド…というのも上手くいきません。

ハープの写真

ハープは足元のペダルを操作することで「ミファソラシドレミ」と並んでいる弦にフラットやシャープを付けることができます。
よって、ハープは「ミ♭ ファ ソ シ♭ シ♭ ド ミ♭ ミ♭」となるべく濁らないようにグリッサンドすることができます。

(なぜ同じ音があるのかは同音異名の関係です。が、説明が長くなるので割愛します)

作曲者はこの濁らないグリッサンドの効果をねらって、ハープを使っている場合があります。
よって、シャープやフラットの多い調や、ゆったりとした場面で代用するときは注意が必要です。

マリンバやビブラフォンで代用するときはグリッサンドっぽくスケールで弾いたり、ハープの楽譜やスコアから適した和音を読み取って分散和音(アルペジオ)の形で演奏すると良さそうです。

ハープのペダルの仕組みについてはこちらのサイトで動画つきで分かりやすく解説されています。↓

グランドハープの足元ペダルの仕組み

おわりに

以上、打楽器の代用についてでした!
マレットや奏法を工夫して忠実に似せることも大切ですが、何より本来の楽器のイメージを持って演奏することが大切ですね。

それでは、また!

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