こんにちは!打楽器の吉岡です。
今回は先日演奏した八王子市の歌「太陽おどり(新・八王子音頭)」
ふと思い出すと脳内無限ループするようになってしまいました。
リハーサル、本番と3回ほどしか演奏していませんし、原曲も1回聴いたぐらいです。
たいして歌ったり聴いたりしていないのに
なぜ、耳に残るのか?
考察していきたいと思います!
太陽おどり(新・八王子音頭)とは
東京都八王子市の「八王子まつり」にて、八王子市全域の人々がを盆踊りするらしいです。
地域のお祭りや幼稚園、学校などでも踊られる定番の曲だとか。
八王子観光大使を務めるFUNKY MONKEY BABYSによるカバーバージョンも存在するようです。
なんだか欲張りすぎた挙句いまいち何が言いたいのかよく分からない歌詞が風情あって良いです。(褒めてます)
原曲
このとおり歌詞が強烈でありながら、不思議とインストバージョンでも耳に残ります。
ということは、耳に残る原因は「歌詞」の他にもあるようです。
Rhythmissionさんによる打楽器アンサンブルバージョン
ちなみに作曲は「見上げてごらん 夜の星を」「手のひらを太陽に」数々のヒット曲を世に生み出している いずみ たく さんです。
また、「チョコレートは明治」「伊藤温泉ハトヤホテル」などのCM曲も手掛けています。こちらも耳に残る歌ですね…!
考察1・通しで聴いた場合
メロディラインを抜き出した譜例でワンコーラスの流れを見てみます。
とにかく耳に残るのはこのフレーズをaとします。
ちなみに歌詞は「ハッパキラキラキーラキラ♪」です。
まずイントロでこの「a」が2回繰り返されます。
イントロの記憶も新しいうちに11小節目でほぼ同じ「a」がでてきます。
あまり意識はしないと思いますが、17~20小節目でも「a」の類似型を聴かされています。
さらに21小節目からすかさず「a」が歌詞付きで出てきます。
ワンコーラス聴くうちに7回も「♪ハッパキラキラキーラキラ」のフレーズを聴かされていることになります。
そりゃ耳に残るわけだ…
ちなみに、歌詞はほぼ七五調で出来ているので、日本人にとっては語呂よく覚えやすい歌詞になっています。
考察2・アカペラでも感染した
フレーズaだけを実家で歌っていたら、母も覚えてしまい歌うようになってしまいました。
さきほどは1コーラス聴いた場合を考察しましたが、私がアカペラで歌ったこの2小節間だけでも感染力が強いことが分かりました。
つまり「音色」「ハーモニー」「曲の構成」よりもこの2小節間の持つ「リズム」や「音程」「歌詞」にほぼ全ての答えが詰まっているようです。
覚えやすい理由をざっと上げていきます。
3つの音しか使っていない
音楽学者小泉文夫氏が提唱した「小泉理論」によればこれはテトラコルド第I種「民謡のテトラコルド」です。
完全4度内の3つの音しか使っていないので、覚えやすく歌いやすい歌になります。
ちなみに子どもでも歌えるわらべ歌や唱え歌などは、世界各地で2~5音ぐらいの少ない音で構成されています。
ベートーヴェンの「よろこびの歌」もほぼ完全5度内に収まる5音で構成されているので歌いやすく、世界中で受け入れられたのかもしれません。
強拍がいつもソの音
1&3拍目(強拍)が毎回ソの音になっています。
そんでもってソから始まりソに終わっています。
抜群の安定感ですね…!
リズム
フレーズの頭に休符が入る…というのは古くから日本の民謡にみられるパターンです。
(東京音頭、八木節、茶摘み、あんたがたどこさetc.)
つづく2小節目では1,3拍目に長い音がくるので安定感があります。
歌詞
ハ ッ パ キ ラ キ ラ 7音綴
キ ー ラ キ ラ 5音綴
七五調で語呂がいい上に、繰り返される「キラキラ」は2回目に「キーラキラ」と引き伸ばされます。
読み聞かせなどで「むかし、むかーし」、東京音頭の「♪おどる おーどる」、炭坑節の「♪月がー でたでーたー」など繰り返す言葉を強調するときによく使われていますね…!
おわりに
深堀していけば、歌舞伎や能の謡のリズムに繋がっていきそうですね。
今はこのぐらいしか考察できないので、またの機会に!
なにげない日常のことも、理由や因果関係を考えてみると面白いですよね。
でもそのためには知識と思考力とひらめきが必須!
日々学び続けたいです!
それでは、また!