こんにちは!部活動指導員の吉岡です。
今回は東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県に発令された2度目の緊急事態宣言について部活動はどうなっているのか、要請や実情を書いていきます。
一都三県の対応と実際
一都三県では大会やイベントの中止や延期が相次ぎ、開催できても出演・出場を辞退する団体が目立つようです。
アンサンブルコンテストに関しては全国大会ひとつ手前の西関東大会や東関東大会の開催はどうなるのか、まだ発表はありませんが気になるところです。
埼玉県
部活動については、昨年末に冬休みが始まってから今月17日まで原則中止としていたが、中止の期限を来月7日まで延期した。
https://www.asahi.com/articles/ASP183RNGP17UTIL05T.html
さいたま市の部活動指導員として勤務しています。
昨年12月24日に1月17日までの原則活動中止、ただし大会が控えている場合は活動可、との通達がありました。
2021年1月9日付で全面中止の通達がきました。
緊急事態宣言を受けて、1月に開催予定だった吹奏楽新人戦(1~2年生による大会)中学生の部が中止になりました。
埼玉県吹奏楽連盟主催の埼玉県マーチング講習会、東部地区吹奏楽演奏会、埼玉県バンドクリニックなどのイベントも中止となっています。
2~3月は定期演奏会シーズンですが、中止や延期余儀なくされています。
東京都
都教委は部活動についても、大会・コンクールへの参加や対外試合・合同練習を含めて、全面的に中止することを決めた。
https://www.asahi.com/articles/ASP183RNGP17UTIL05T.html
東京都高等学校吹奏楽連盟のアンサンブルコンテスト予選は1月5日・6日でギリギリ開催できましたが、その2週間後に迫っていた中学の部は中止になりました。(東京都中学校吹奏楽連盟より)
「第 44 回東京都アンサンブルコンテスト」(都大会)は2 月 7 日(日)から2 月 20 日(土)へ延期になりました。(東京都吹奏楽連盟)
1月末に無観客ホール審査予定だった東京都吹奏楽新人戦は録音・録画形式の可能性も含めて検討、延期となりました。
神奈川県
部活動については、校内における活動を原則とし(平日の放課後のみ90分程度、週3回を上限)かつ感染リスクの高い活動は中止する。大会等への参加については、原則不可とし、全国大会、関東大会については、今後、開催の有無を確認しながら別途、学校長は県教委と協議する。
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/u5t/coronavirus.html#%E6%95%99%E8%82%B2%E6%B4%BB%E5%8B%95%E3%81%AE%E5%AF%BE%E5%BF%9C%E7%8A%B6%E6%B3%81
千葉県
部活動は放課後90分間までで、対外試合は禁止にする。部活動はクラスター(感染者集団)が発生していることから、休日の活動中止や、飲食時の会話禁止も求める。県教委の担当者は部活動について「厳しい感染状況で、身体的接触を避けるよう注意してほしい」と呼びかけている。
https://www.asahi.com/articles/ASP183RNGP17UTIL05T.html
他県の動向
縮小、制限つきではありますが、活動できているようです。
一都三県以外の地域では吹奏楽関連の大会中止は今のところないようです。
(ほとんどの大会が無観客で行われる予定です)
いくつかの県の対応をのせます。
兵庫県
十分な感染防止対策を実施したうえで、「いきいき運動部活動」、「文化部活動の在り方に関する方針」に基づき、平日4日2時間程度、土日1日3時間程度の実施とする。
令和3年1月8日~2月7日(緊急事態宣言が発出されている期間)については、県外(全ての都道府県)での大会、練習試合、合宿は行わない。
兵庫県教育委員会
中部日本吹奏楽連盟の個人・重奏コンテストもの開催については1月23日に判断されるようです。
福岡県
部活動については、「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル」及び関係通知(注)にしたがって、地域毎の感染レベルに応じた活動を行ってください。
福岡県教育委員会
ちなみに福岡県教育委員会の発表は大人の都合だけではなく、子どもに寄り添った内容で好感が持てました。
学校においては、地域の感染状況を踏まえ、学習活動を工夫しながら、可能な限り、学校行事や部活動等も含めた学校教育活動を継続し、子供の健やかな学びを保障していくことが必要です。
地域一斉の臨時休業については、学校における新型コロナウイルス感染症のこれまでの感染状況や特性を考慮すれば、当該地域の社会経済活動全体を停止するような場合に取るべき措置であり、学校のみを休業とすることは、子供の健やかな学びや心身への影響から、避けることが適切です。
福岡県教育委員会
福島県
1月12日(火曜日)から1月17日(日曜日)まで部活動においては、感染リスクの比較的低い活動から徐々に実施し、顧問等が活動状況の確認を徹底する。
また、密集する運動や近距離で組み合ったり接触したりする場面が多い活動及び向かい合って発声したりする活動は、慎重に検討する。
福島県教育委員会
秋田県
感染状況を踏まえ、学校が独自に行う他校との練習試合や合宿等を一時的に制限するなど感染症への警戒度を高めること。
また、部活動終了後に、生徒同士で食事をすることを控えるよう特に指導を徹底すること。
秋田県教育委員会
楽器別レッスン再開に向けて
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おわりに
この機会に部活動を学校から無くせ、と言ってくる人たちもいます。
学業よりも部活動でクラスターが起きているのは事実です。
部活動は学校のおまけ、学業が最優先。と言う大人は沢山います。
最もだと思います。
でも、学業だけでは社会の中で生きていく大切な部分が育たないと思います。
そりゃブラックな部活動が話題になったりしていますが、それはほんの一部です。
目立った悪い部分だけ振りかざして、「部活は全部悪、だから無し」とする人たちは何なんでしょうねぇ。
自分の目の前にあるものしか見えていないのか考えられないのか、語彙を持ち合わせていないのか、あるいは、よっぽど部活動で嫌な目に合ったか…。
もしかしたら部活動が好きすぎて学業がうまくいかず人生が狂ったから反対派、の人もいるのかもしれません…(妄想がはかどる)
いずれにせよ、ブラックな体制をつくる顧問や講師が悪なのであり、部活動そのものが悪いわけではありません。
(顧問への負担、働き方の問題は残されていますが…)
多くの子どもは自分の好きな分野で仲間と一緒に打ち込める部活動が、かけがえのない居場所になっています。
今まで子どもたちの様子を見てきて、部活動こそ「自分らしくいられる」子も多いように感じます。
学業だけでは学べない技能や知識を得ると共に、他者との関り合いかたを失敗しながらも学べる大切な活動です。
そして、それは人生において本当に限られた数年間です。
長い人生から見れば数年間など大したことないように思えますが、十代の数年間、数か月、数日というのは後の人生に大きな影響を及ぼします。
かつ、習い事と違って部活動は金銭的なハードルも低く、みんなでできる利点もあります。
とはいえ、いくらでも反論はあるので、この手の話題はまたつぎの機会に書いていこうと思います。
本当に、大人のせいで子どもの自由を奪ってしまっている…申し訳ない、ふがいない思いでいっぱいです。
また活動再開できた日に、失われた時間を少しでも取り戻せるように、生徒たちにより濃いサポートができるように、今は勉強や研究、修練に励みたいと思います。
それでは、また!