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響き=振動=脱力と繋がっている!演奏するために大切な感覚

「脱力!」「力を抜いて!」

レッスンや合奏などでよく耳にする言葉。

最近、演奏するための「適度な脱力=振動を感じる」ことなのでは?と思うようになりました。

実体験・・・!

ちなみに、合奏で紙から音を感じたのは人生初でした…

(その日、この中学校は見事に県代表を射止めました。おめでとう!)

振動はダイレクトに届く

高校生のころ吹奏楽部と和太鼓部で訪問演奏へ行ったとき、特別支援学校の先生からいただいた感想です。

体育館の床に座って皆さん聴いていたので、和太鼓のほうが耳のみならず身体へダイレクトに伝わったのでしょう。


以前、小学校の体育館でマリンバを演奏したときにも

「床からも音が伝わってきて不思議な感覚でした!」

との感想をいただきました。
コンサートホールや普段の生活では得られない、
体全体で感じる音楽体験となったようです。


「とんでもない可能性」といえば、
スコットランド出身のエヴェリン・グレニー

12歳でほとんど聴覚を失ったそうですが、
パーカッショニストとして世界的に活躍しています。

彼女は身体で振動を、音を感じとるそうです。

「音=振動」と分かっていたものの…
音って耳だけで感じているようで、振動として体全体で感じ取っているのですね。
(打楽器は特に振動を感じやすい!)

身体で振動をとらえる

スネアドラムの基礎の基礎からレッスンしていただいていた大学入試前。

必死に1つ打ちから練習している中、
あるタイミングを境に 1打1打が楽しくなってきました。


いま考えてみれば、
「上手に脱力出来るようになったから楽しくなった!」

と、言うよりも
「脱力できた結果、振動が身体に伝わってきて楽しい!」

だったのかもしれません。


程よく脱力できていないと振動は分かりません。
音を身体に響かせることは、心地よいことだと思います。
理由は上手く説明できません。笑

(お風呂で歌うのが楽しい、太鼓をドコドコ叩かれると合わせて身体を動かしたくなる、本能的なあれに限りなく近い。というか、そのもの?)


小さい音量でも、振動を感じることが大切だと思います。
詳しくはこちらで ↓

小さい音が苦手!打楽器の「ピアノ」のコツとは?

打楽器うるさい問題、弱くたたくだけでは解決しない!?~管楽器とブレンドする方法

ミュート=弱音とは限らない!~素晴らしき打楽器ミュートの世界

響きのある音

「バスドラム、もっと響きのある音で!」
「打楽器、イイ音で!」

と 先生やコンクールの講評などで漠然と言われた経験はありませんか?漠然と。

もしかして、
この響き=脱力=振動のことなのでは…?
と考えるようになってきました。


もちろん楽器の状態も大切ですが、
楽器や身体が効率よく振動していたら
いわゆる「豊かな響き」につながるのだと思います。

試してみよう!

スティックが手元にあればぜひ試してみて下さい。

握りしめた状態で打ち合わせでも喉のしまったような音しか出ませんが、
ふわっと持つとスティック本来のピッチが、響きが聴こえます。

(ボールペンでよくやる「ホラァ〜曲がって見えるゥ〜」のチカラ加減で持つと、ちょうど良かったりします)

響かせる感覚をつかむ 「響く」感覚を「手」でつかんでみよう~初心者にも挑戦できる方法4つ

おまけ:私の実践

トラディショナルグリップでマレットを4本持った時に、1本1本が最大限に振動できるように修業中。

スティーブンスグリップという持ち方ではマレット同士が手の中で触れず独立している。
→1本1本がよく振動している!
→よく響く!

手の中でクロスさせるトラディショナルグリップではマレット同士、指がある程度干渉してしまう。
そのぶん安定感とパワーは出るけど、振動を最大限には利用できない。

つまり、トラディショナルグリップで、スティーブンスグリップに近づけてみようという試み。


この修業をはじめてから
弱音を扱いやすくなった。疲れにくくなった。
音をつなげやすく、混ぜやすくなった。
マリンバは上半身メインで叩いてきたけど、今まで以上に下半身も使うようになった。

変化はこんな感じかな。


マレットを以前より握っていないので、そのぶん命中率は下がってる。
でも、耳だけではなく身体に振動が、響きが確実に伝わってくる!

なるべく干渉せずにコントロールか。う~ん。
これからも研究と修業じゃ!