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音が予測できるようになる!?調性感覚を育てるアルペジオ練習【家でもできる譜例つき】

調性感覚をつかむマリンバのアルペジオ調性感覚を磨く練習3

こんばんは!打楽器の吉岡です。

今回は私が調性感覚をつかむためにやっていた練習方法を楽譜にしたので、紹介していきます。(下の方でダウンロードできます)

調性感覚がつかめてくると、スイスイ弾けるようになって初見も楽になります!
鍵盤打楽器がなくても、ピアノやアプリの鍵盤でできるお手軽な練習です。

さて。
スケール練習、やっていますか?

スケール練習、全調バッチリだぜ!

吉岡さん(中3)

吉岡さん(中2)

シャープとフラット3つまでなら弾けます!
あ、長調だけ弾けます!

もはやC-durしかできないぜ!でもOK!

スケールマスターもスケールビギナーも必見!
これから紹介するのはスケールを1つでも弾ければ挑戦できる譜例です。

スケールの音をなんとなく覚えていればできる、
「3歩進んで2歩下がる」
「3歩進んで4歩下がる」

この2種類の練習方法です。

調性感覚、なぜ必要?

スケール丸暗記してればOKじゃないの?
いやいや、それだともったいない!

西洋音楽の大部分が調性音楽

よく耳にするクラシックもロックもポップスも、身の回りにある多くの音楽が調性音楽です。
単純に言えば明るい長調(durドゥアー)と暗い短調(mollモール)に分けることが出来ます。

楽譜の最初にはシャープ〇個、フラット〇個みたいな「調号」がありますね。
その調でよく出てくる和音の動きを雰囲気だけでもわかっていると演奏がだいぶ変わってきます。

とは言え調性感覚はいきなり身に付くものではないので、焦らずに「少しずつ育てていくもの」と考えるのが良さそうです。

調性感覚をつける身近なメリットざっくり3つ

  • 譜読みが速くなる
    →音楽的な練習をする時間が増える、どんどん新しい曲にチャレンジできる
  • 音を間違えにくくなる
    →先の音が予測できるようになる
  • 音楽表現に役立つ
    →作曲者の気持ちが少し分かるようになってくる
  • 暗譜が早く正確になる
    →法則を覚えることになるから楽になる 

調性感覚を持っていれば転調しても安心、存分に楽しむことが出来ます!

臨時記号には法則がある

シャープやフラットなどの臨時記号。
よく出てくる臨時記号はだいたい決まっています。

たとえば長調の場合、音階音(スケールの音)を順番に数えて4つ目5つ目の音にはシャープが付きやすく、7つ目の音にフラットが付きやすいです。
(これには理由があって平行調や近親調の関係なのですが…長くなるので割愛します。)

ハ長調(C-dur)の場合はファとソにシャープが付きやすく、シにフラットが付くことが多いです。

もちろん例外もたくさんありますが…ざっくり言うとこの3つ。
本当にざっくりです。

とは言え、知っているのと全く知らないのでは大違い…!

「3歩進んで2歩下がる」長調・durの練習

この練習のしくみ

ミ ソ ド /ファ ラ ド ファ/
ファ# ラ レ/ シ レ ソ /
ソ# シ ミ/ ド ミ ラ /
ファ ラ レ / シ レ ファ/ ミ

この譜例は8分音符4つかたまりで和音を作っています。
4つかたまりの開始音だけ弾くと、3つ上がって2つ下がってを繰り返しています。(4小節目の入りは少し違うけど)

調性感覚をつかむマリンバのアルペジオ調性感覚を磨く練習3
和音にするとこうなります。

4小節目の4拍目だけ少し違うので気を付けて!
(この和音もよく出てきます)

1小節目は臨時記号なし。落ち着いた感じですね。
2小節目で臨時記号が登場、なんだかワクワクしてきた。
3小節目も臨時記号、えええ?どうなっちゃうの?みたいな展開。
4小節目は臨時記号無し、無事に帰ってこれた~でおしまい。

(・ω・)ノ

( *´艸`)

(ノД`)・゜・。

(・∀・)

のようなイメージがあるのですが、皆さま、弾いてみた感想はいかがでしょう…?

調によって弾く音は変わりますが、どの調でもこのハーモニーの流れは変わらないことを体感してみてください。

臨時記号がつくと本来その調にはない音になるので、ざっっっくり言うと「刺激的」で「ワクワク」「ドキドキ」を作り出します。

ワクワクドキドキしながら弾いてみてください。
音楽が生き生きしてきますよ~!

長調バージョン楽譜ダウンロード

楽譜だけ見ると「どひゃーーー」ですが、一段ずつ選んで練習できます。
まずは1段目のC-durだけでも!

各ページ上から下にかけて難易度が上がっていきます。

「3歩進んで4歩下がる」短調・mollの練習

この練習のしくみ

ド ミ ラ / ファ ラ レ /
シ レ ソ / ミ ソ ド/
ファラドファ/ レ ファ シ/
ソ# シ レ/ レ シ ソ# /ラ

長調ができたら短調も是非!

「4つのかたまり」は先ほどの長調と同じですが、進行が少し違います。
4つかたまりの開始音だけ弾くと、3つ上がって2つ下がってを繰り返しています。

短調ヴァージョンは1か所しか臨時記号が出てきません。
終止感を強める「導音」というものですが…また別の記事でお話します!
今回はとにかく調性感、雰囲気をつかみましょう…!

ここでひとつ実験を。
短調の臨時記号を付けないバージョンと付けたバージョンを弾き比べてみてください。

・臨時記号を取って弾いてみると…なんとも言えないふわっとした感じ。何だかあまり終わった感じがしないと思います。

・臨時記号を入れて弾いてみると…4小節めに入ったとたん「あ、終わりなんだな」と感じると思います。

一番最後の終わりの音も大切ですが、終わらせるためには終わりの直前の音も大切なのだと気づかされます…!

短調バージョン楽譜ダウンロード

長調と同じく楽譜だけ見ると「どひゃーーー」ですが、一段ずつ選んで練習できます。
まずは1段目のa-mollだけでも!

各ページ上から下にかけて難易度が上がっていきます。
短調の儚げで切ない雰囲気、ぜひ味わってみてくださいね~!

おわりに

学生のころ、スケールは全て覚えていたし毎日弾いていましたが、調性感覚はまた別のお話でして。
実のところ私自身、調性感覚が身に付いたのは大人になってからでした。
(ちなみに調性感覚が身についてきたらバッハの曲が何十倍も楽しめるようになりました。ほんと。)

マリンバがなくてもピアノやアプリの鍵盤でやっても効果抜群なのでお試しあれ!
4つかたまりで作られる和音の響きや雰囲気、臨時記号の「刺激」を味わいながら弾いてみてくださいね~!

ヴィブラフォンで2拍ごとにペダル踏みかえながら弾いたら和音として聴きやすいし良さそう♪


それでは、また!


調性について興味を持った方、この本を熱烈におススメします!
プログレをクラシックに持ち込んんでしまう大好きな作曲家、吉松隆先生の本です。
ユーモアたっぷりに分かりやすく読みやすく書かれているので、クラシック音楽に詳しくなくても十分楽しめる一冊です♪