こんにちは!打楽器&作曲の吉岡です。
今回は打楽器の楽譜に出てくる「記号」をまとめて紹介していきたいと思います。
もくじ
シンバル・トライアングル小物系で使われる記号
金属系の楽器で使われる記号と、その奏法を紹介していきます。
ロール(トレモロ)記号
音符についている太いスラッシュ記号です。
ロール記号として使われることが多いですが、省略記号として使われる場合もあるので、後述の「太鼓系で使われる記号」も参考にしてみてください。
基本的にタイで繋がっているロール後の音符は叩くようにします。
(鍵盤打楽器を除く
トリル
ロールです。
トライアングルの楽譜やサスペンデッドシンバルの譜面についていることが多いです。
十字(プラス)と丸
トライアングルやシンバルなどの譜面で、音符の上についているOと+です。
〇(オープン)…響く状態で叩く
+(クローズ)…止めた状態で叩く
です。
クローズ(ミュート)のときは片手で楽器をおさえて響かないようにして叩きます。
ハイハットシンバルの場合はペダルでオープン/クローズを操作します。
サスペンデッドシンバル(サッシン)の音色の変え方【動画つき】
Choke/Secco/Dampen
音を短く切る指示です。
詳しくは下記記事を参考にしてみてください。
波線
作曲家により使い方が異なる記号のひとつです。
代表的な奏法として、
・ランダムに鳴らす
・アドリブっぽくする
・バチやスーパーボールで楽器をこする
・ビブラートさせる
などがあります。
ウインドチャイムで出てくることもあります
特殊な奏法や楽譜の表記について!ウインドチャイムのコツと小ネタ集
太鼓系で使われる記号
太鼓系の楽器で使われる記号と、その奏法を紹介していきます。
ロール(トレモロ)記号・3本線
音符についている太いスラッシュ記号です。
基本的にタイで繋がっているロール後の音符は叩きます。
(鍵盤打楽器を除く)
2音でロールする場合は下記のように表記されることもあります。
ロール(トレモロ)記号・1本線、2本線
八分音符や十六分音符には1本線・2本線の記号が付くことがあります。
テンポや音符によって付け方を変えていたり、作曲者によっても付け方の法則が違うので、注意して読み解く必要があります。
ロールとして解釈されることが多いですが、上図がとても遅いテンポで演奏される場合は,
- 四分音符についたものは「三十二分音符」
- 八分音符についたものは「三十二分音符」
- 十六分音符1つ目に付いたものは「六十四分音符」
- 十六分音符3つ目についたものは「三十二分音符」
として演奏されることがあります。
また、図のように、二分音符に1本線のスラッシュが付いている場合は八分音符になります。(省略記号の一種)
ロールがうまくいかなくなったら!
スネアのロールが繋がらない!上手くいかないとき確認すること3つ
トリル
ロール記号と同じです。
ティンパニの楽譜で使われることもありますが、ロールでOKです。
×印の音符
太鼓の譜面で×印の音符が出てくることがあります。
特に指定がなければリム(ふち)をたたきます。
「R.S.」などが一緒に書いてあれば、リムショット(打面とリムを同時に打つ奏法)になります。
コンガやボンゴを手でたたく場合は「スラップ奏法」を差すこともあります。
テンポが揺れる!リズムが不安定!それならいつもの基礎練を〇〇でやってみよう!
丸と十字(プラス)
〇(オープン)…響く状態で叩く
+(クローズ)…止めた状態で叩く
です。
クローズ(またはミュート)のときは片手で楽器をおさえて響かないようにして叩きます。
(その他の奏法もあり)
サンバで使われる太鼓「スルド」の楽譜や、またはその他の太鼓で特殊奏法として出てくることがあります。
グリッサンド・ポルタメント
主にティンパニの楽譜で出てきます。
たたいた後にペダルを使って音程を下げたり上げたりします。
「グリッサンド」…段階的に音の高さを変えていく奏法(ピアノや鍵盤楽器のような音)
「ポルタメント」…無段階的になめらかに音の高さを変えていく奏法(トロンボーンやティンパニのような音)
と、別々の意味を持っています。
波線
作曲家により使い方が異なる記号のひとつです。
代表的な奏法として、
・ランダムに鳴らす
・アドリブっぽくする
・バチやスーパーボールで楽器をこする
・ビブラートさせる
などがあります。
鍵盤打楽器で使われる記号
鍵盤打楽器の楽器で使われる記号と、その奏法を紹介していきます。
ロール記号
ロール記号です。
ただし、省略記号として使われる場合もあるので、先述の「太鼓系で使われる記号」も参考にしてみてください。
マリンバ・シロフォンの和音ロールが繋がらない!コツと練習方法
2音でロールする場合は下記のように表記されることもあります。
トリル
ひとつ上の音と交互に演奏します。
基本的にその調の音(スケール内の音)で演奏します。
下図の場合はB-dur(変ロ長調)でシとミにフラットが付いているため、Dの音にトリルが付いた場合はDとEsを交互に演奏します。
トリルの上にナチュラル・フラット・シャープが付くことがあります。
その場合は、一つ上の音が音が変化します。
調性感を磨けばトリルも余裕!
音が予測できるようになる!?調性感覚を育てるアルペジオ練習【家でもできる譜例つき】
グリッサンド
鍵盤上をマレットでこする奏法です。
開始音が決まっていない場合は×印で書かれることもあります。
グリッサンドについて詳しくはこちら
楽器問わずに使われる記号
レットリング
響かせたままにする記号です。
直後に休符があっても、響かせたままにします。
詳しくは下記の記事を参考にしてみてください。
コンマ・スラッシュ
五線上のスラッシュ記号は「カエスーラ」といいます。
詳細は下記記事を参考にしてみてください。
ダブルスラッシュではなく〇〇〇ー〇!?楽譜のコンマ「 ’」「 // 」どう演奏すればいいのか?
おわりに
以上、打楽器の楽譜に出てくる記号&奏法まとめでした!
同じ記号でも楽器や楽譜によって奏法が変わるので、どのような音が求められているのか?楽譜から上手に読み取って演奏していきたいですね。
それでは、また!
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