どうも、吉岡です!
アジアの民謡を題材にした「マリンバとピアノのための アジアのうた」を演奏するにあたり、様々な地域の歌や音楽を聴くようになりました。
世界中の民謡を聴いていると、異質な音色感の中であってもそれとなく気持ちが伝わってきたり、歌詞は分からないけど曲名を知って納得したりすることが多いです。
故郷を思う気持ち、恋人への思い、一族あげてのお祝い、子どもの遊び歌、労働歌、
文化は違えど何か共通する音楽的な要素があると感じていました。
それについて知りたくて調べていたら気になる研究結果を見つけたので紹介していきます。
世界の各地域から集めた5000曲以上もの歌を分析
音楽にはあらゆる文化に共通する普遍的な文法が存在する(米研究)
世界中どの地域でも共通して使われているのは「声」なのだそう。
声楽曲を世界中から集め、分析したそうです。
研究チームは世界30地域・86文化から4種の音楽(ダンス、ヒーリング、ラブソング、子守唄)を集め、5000曲以上の楽曲でなる詳細なデータベースを構築。これらを曲の長さ、いつ歌われるのか、歌手の人数、誰に対して歌われるのか、音程の範囲、テンポ、音階などの情報に基づき分析した。
http://karapaia.com/archives/52285077.html
音楽が国境も人種も文化も越える謎が今、解き明かされる…!
テンポと中心音
似たような状況で使われる音楽には、似たような特徴が共通して見られたのだ。たとえば、儀式的なヒーリング音楽はダンスミュージックよりも反復的で、ダンスミュージックは子守唄よりもテンポが速くリズミカルだった。
そうした特徴ゆえに、歌を聞けば、どんな内容の歌詞を歌っているのかわからなくても、それが子守唄なのか、それともラブソングなのかといったことは誰でもなんとなく推測することができる。
http://karapaia.com/archives/52285077.html
まずこの研究であげられていたのは「テンポ」です。
人類はどの文化圏でもアップテンポでノリノリな子守唄では眠れないようです。
結婚式の歌は賑やかに、これからの幸せを祝う気持ちが伝わってきます。
悲しい気持ちで歩くときは静かに(あるいは歩く気さえ起きない)、楽しい気分なら足取り軽く軽く小躍りしてしまう、人類共通なのかもしれません。
つぎに「中心音」の存在が挙げられていました。
各文化独特の音階、旋法でで歌っているにも関わらず、楽曲の圧倒的多数が調性音楽に分類されるのだそうです。
クラシック音楽、機能和声でいう「主音」のようなもの、落ち着く音・終止感の感覚はある程度共通しているようです。
クラシックやジャズ・ポップスといった元々は限られた地域(文化圏)で生まれた音楽が世界的に広がり親しまれていることも納得できます。
まとめ
歌詞が分からなくてもそれとなく伝わるのは「気持ちの問題」だけではなく、やはり理由があったのですね。
音色や節回しなどはそれぞれの文化・地域独自の様式でありながら、テンポやリズムの粗密、緩急から受ける印象はある程度共通しているらしい。
言葉だけでは伝わらなくても、リズムや音程といった音楽的要素が加わると伝える力が何倍にも強くなる。
やっぱり音楽って面白い。
それでは、また!