こんにちは!打楽器演奏したり教えたり作編曲したり、音楽フリーランスの吉岡です。
個人事業主として演奏やレッスン、作編曲、ブログ、楽譜販売などで収入を得ています。
さて、個人事業主に負担がかかる!と話題になっているインボイス制度。
調べてみると、私がやっている仕事は影響ありませんでした。
キーポイントは「取引先が消費税をどのように収めているか」です。
どんな取引先から仕事を受けているか?で影響があったり、なかったりします。
音楽家の仕事の具体例を挙げながらまとめていきますので、インボイス制度によって影響を受けるのか受けないのか?チェックしてみてください。
インボイス制度とは?
インボイス=適格請求書
売手が買手に対して、正確な適用税率や消費税額等を伝えるものです。
具体的には、現行の「区分記載請求書」に「登録番号」、「適用税率」及び「消費税額等」の記載が追加された書類やデータをいいます。
引用:国税庁「インボイス制度の概要」
インボイスとは「適格請求書」を指しています。
お金を支払う相手の「登録番号」が記入されていないと、適格の請求書として認められないよ、ということです。
インボイス制度が始まると?
ざっっっっくり言うと、
「登録番号」を持っていない個人事業主に仕事を依頼すると、事業者は支払う税金が増えてしまう。
「登録番号」を持っている個人事業主に仕事を依頼すると、事業者は支払う税金が減る。
さらに現在の「個人事業主に負担が!」問題をザックリ言うと、
その「登録番号」を手に入れるために手続きをして、個人事業主も消費税を納めてくださいね。
そうしないと、取引先はあなたに仕事を回さなくなっちゃいますよ。
ということです。
いつから始まる?
2023年10月からですが、そこから6年間の「猶予期間」があり、完全に移行するのは2029年10月の予定です。
詳しくは知らないと損するインボイスの猶予期間 0924をご覧ください。
詳細は音楽家の味方くりさんの動画を!
取引先によってはインボイスの影響が無い
「仕事が減る!?」
「手続きしなきゃいけない!?」
「消費税収めなきゃいけないの!?」
と話題になっていますが、「取引先が消費税をどのように収めているか」で影響がない場合も有ります。
消費税の納税が原則課税ではない取引先=下記いずれかに該当する場合は、インボイス制度の影響を受けません
- 消費者
- 免税事業者
- 簡易納税の事業者
消費者
普段の生活でスーパーで買ってきたお菓子や野菜を、さらにどこかで売る事ってないですよね。
お金を出して仕入れますが、プライベート用なので直接的に売上を出すための消費ではありません。
該当例としては生徒と直接契約しているレッスンなど。
免税事業者
1年間の課税売り上げが1000万円以下ならほぼ免税事業者です。
規模や売り上げが比較的小さい事業者が該当します。
金額がピンと来ない!
NHK交響楽団の年間売り上げが300万ちょっとです。
芸能プロダクション大手のソニー・ミュージックエンタテインメントは1000憶円以上です。
(オーケストラはビジネスではないのでそりゃそうなのですが…差が大きい。笑)
簡易課税の事業者
簡易課税を適用するためには次の要件があります。
https://biz.moneyforward.com/accounting/basic/40942/
・基準期間の課税売上高が5,000万円以下
・事前に簡易課税制度の適用を受ける旨の届出書を提出
免税事業者と原則課税事業者の中間といったところでしょうか。
学校法人(私立学校)の多くは簡易課税の事業者に該当するようです。
上記の3つに該当しない「原則課税」になると、経理の作業量が一気に増えるため、幼稚園や保育園、学校のほとんどが簡易課税の事業者(免税の場合もあるのか…?)だそうです。
そもそも教育機関や地方公共団体は売り上げアップを目標としていませんからね…。
音楽家の仕事 具体例
具体的にはどんな取引先だと影響があるのか?
まとめていきます!
コンサートやイベント演奏
コンサートやイベントへの出演、レコーディングなど
音楽事務所や一般企業など比較的規模の大きな事業者から仕事を受けている場合、インボイス制度の影響を受けそうです。
個人事業者も登録番号が必要になると思います。
影響なさそうな仕事
- プロアマ問わず楽団のエキストラ
- 比較的小さな規模の事務所を通した仕事
- 地域のイベント
- 公共施設主催のイベント
- 学校や幼稚園ほか施設でのイベント
- 音楽鑑賞教室
など
地方公共団体(公立学校など)をはじめNPO、社団法人や財団法人の多くは免税・簡易課税の事業者であり、影響はなさそうです。
メモ
課税売上が1000万円以下であっても、申請すれば課税事業者になることができます。
あえて申請している場合もあるため注意が必要です。
音楽教室
音楽教室に講師として籍を置いている場合、教室の規模によっては登録番号が必要になるかもしれません。
生徒が「音楽教室」と契約している場合ですね。
生徒と講師が直接契約している、自身が主催している音楽教室の場合は影響ありません。
レッスン
個人レッスン、団体レッスンも生徒と直接契約している場合は影響がありません。
学校の授業や部活動でのレッスンも、基本的には影響ないと考えられます。
楽器店や音楽事務所などを通してレッスンの仕事を受けている場合は確認した方が良さそうです。
作編曲・原稿料
こちらも取引先が消費税をどのように納税しているかによって変わってきます。
個人でやり取りしていれば影響なし、取引先が大企業でなければ影響なしです。
(その個人が事業で1000万円以上売り上げを出していたり、小規模だけどあえて原則課税の申請をしている事業者なら別ですが…)
会計年度職員
地方公共団体が雇用する従来の非常勤職員・臨時職員・パート職員。
市町村に所属する部活動指導員やスクールアシスタントは影響がないようです。
ポイント
ざっっっくり言えば、
取引先がガンガン売り上げを出しているかどうか
(※上記のとおり例外あり)
詳細は音楽家の味方くりさんの動画で!
まとめ
いかがでしたか?
- 消費者
- 免税事業者
- 簡易納税の事業者
取引先が上記3つに当てはまるなら、そこまで心配することはありません。
自身の取引先をまずチェック、仕分けしていくことが第一歩だと思います。
それによって対策が必要かどうか見えてきます。
2023年9月30日以降の話なので、まだまだ対策する時間があります。
大手からの仕事も逃したくない!場合は登録しておく選択肢もあるかもしれません。
視野を広く保ちつつ情報収集をしながら、焦らず準備を進めていきたいですね。
何度か紹介した動画の税理士くりさんも言っていましたが、「見えない不安を見える不安へ」変換しておくことがとても大切だと思います。
コロナでも、ただすべてに恐れるのではなく「正しく恐れること」が大切だと言われていますよね。
コロナの経験を糧に、音楽家、生き残っていきましょう!
2023年9月過ぎたら即!ではない?猶予期間について
税理士くりさん、音楽家に寄り添った有益な情報をいつもありがとうございます!