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ビブラフォンやシンバルを弓で上手く鳴らすポイント4つ

こんにちは!打楽器の吉岡です。

今回は打楽器アンサンブルや現代曲で出てくる「弓で擦る」奏法(bowingボウイング)についてです。

うまく鳴らすために知っておきたい「音が鳴る仕組み」から、4つのポイント

  • 弓の張り具合
  • 松脂の塗り方
  • 当て方
  • 力加減

をピックアップして書いていきます!

音が鳴る仕組み

発音原理は弦を弓で擦って音を出すコントラバスやヴァイオリンとほぼ同じです。

また、タンバリンのサムロール(指でやるロール)とも同じです。

弓に楽器が繰り返し引っかかって擦れた結果、高速で振動し続けて音が繋がって聞こえる状態になります。

こちらで分かりやすく解説されています

参考 バイオリンの音が出る仕組み・摩擦で音が出る?バイオリン初心者に向けた上達法

弓の張り具合

写真で持っている部分(毛箱)の上の細長い部分(スクリュー)を回して調整します。

時計まわしで締まり、反時計まわりで緩みます。(打楽器のキホン!)

ユルユルだと上手く鳴りません。

楽器に軽く押し当てたときに、毛が竿にくっつかない程度に張ります。

MEMO
張ったままにしておくと毛が伸び切ってしまうので、使い終わったら弓の毛は必ず緩めるようにしてください。

写真付きで詳しく解説してあります

参考 演奏の準備主に吹奏楽部の為のコントラバス取扱説明書

松脂の塗り方

「弓に楽器が繰り返し引っかかって擦れた結果、高速で振動し続けて音が繋がって聞こえる状態になります。」

ということで、うまく「引っかかる」ようにするために松脂(マツヤニ)を使います。

弓の毛の部分、楽器と接する部分に松脂を押し当て、弓を動かして均等に塗ります。(2~3往復ほど)

松脂は暑くなると溶けてしまいます。

ケースに入れて、保管に気を付けてください。(夏場は注意!)

様子を見ながら、暑いときは少なめ寒いときは多めに塗ると良いそうです。

最初が鳴らない!

弓で楽器を弾いてると途中から鳴りだすこと、ありませんか?

弓の真ん中ばかり松脂がついて、端まで塗れていないのかもしれません。

弓の端っこ、弾きはじめる部分まで均等に塗るようにしてみてください。

塗り方は弦楽器を参考にしよう!

コントラバス向けの記事ですが、こちらに分かりやすく解説してあるのでぜひ参考に!

コントラバス奏者×吹奏楽指導者の井口信之輔さんのブログ

当て方

角度

諸説ありますが、私は鍵盤に対して「垂直」をおすすめしています。

引っかかる面積が広くなり、しっかりとした音が鳴らしやすいです。

黒鍵側の場合

鍵盤へ当たる角度を変えずに、真っすぐ動かします。

下から上へ弾く方がやりやすいです。

白鍵側の場合

空いてる手でおさえる

ビブラフォンの場合は鍵盤が浮かないように「けた」(紐が通っている部分)を軽く押さえながら弓を動かすと鳴らしやすくなります。

シンバルもカップの部分(真ん中の部分)を軽く押さえます。

速さ

出したい音のイメージによって変わってくると思います。

ゆっくりなテンポならゆっくり、速いテンポなら速く動かすことが多いです。

(速くこするとと音量も少し大きくなります)

力加減

繰り返し引っかかるようにして、楽器が振動し続けられるようにする。

そのため弓を強く押しあてるのではなく、適度な圧力で当てて楽器を振動させるように動かす必要があります。

引っかかった時の振動を指で感じられる程度の圧力がいいと思います。

案外「鳴らそう!」と気合を入れない方がうまくいったりします。

手は弓がなるべく美しい音を出せるように介添えしてあげるだけなのです。そのために、弓を支えたり動かしたりする力は最小限に抑え、なるべく自然に弓と腕の重みだけでなめらかにボウイングができるのが美しい音作りになります。

村川千尋著「今日からバイオリン」ヤマハミュージックメディア刊より

モーターを回さないときは

白鍵側、黒鍵側ともに鍵盤下のファン(羽)が共鳴管をふさいでいないか確認してください。

ふさがった状態では音が共鳴管で跳ね返ることができず、こもったような音になります。
(合奏でビブラフォン聞こえない!の原因のひとつ)

垂直でも大丈夫ですが、某楽器屋さんから45℃ぐらいがベストと聞きました。
ぜひ色々試してみてください。

練習が終わったら

そのままにしていると松脂がこびりついてしまうので、必ず鍵盤を拭くようにしてください。

弓は緩めて、タオル(なんでもいいので弓用のタオルを決める)で松脂を拭き、ケースに入れて保管するようにしましょう。

松脂おすすめ

ポップス

松脂が柔らかい分ひっかかりやすく、音を出しやすいですが、夏場は溶けやすいそう。暑い場所には向かないようです。

コルスタイン(オールウェザー)

コルスタインの松脂(オールウェザー)はバランスの取れた柔らかさで使いやすいと評判です。

ペッツ

私はこちらを使っています。(安かった。笑)

今のところ年中問題なく使えています。(埼玉県)

使う地域(寒冷地域など)や時期によって、適したものは変わってくるかもしれません。

どんな弓がいい?

弓はピンからキリまで価格帯がとても広いです。

打楽器に使う場合は毛が切れやすく痛めやすいため、コントラバス奏者と兼用はもちろん、あまり高価な弓はお勧めしません…。

また楽器によって弓の大小を変えると、鳴らしやすくなる場合があります。

コントラバス弓

ビブラフォンでしっかり鳴らすにはコントラバス弓がおすすめです。

バイオリン弓

コントラバス弓よりも細い弓です。

手が小さかったり、マレットと一緒に持つ時に重宝します。

一般的なバイオリン弓はコントラバスより長く扱いにくいので、小さめのサイズのもの(4分の3、などの分数)を使うこともあります。

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持ち替えで使えるワザ

すぐ黒鍵側の鍵盤を弓で弾かなきゃならない!

そんな時に使えるのがこちら!

サスペンデッドシンバルのスタンドのクッションやネジを外し、弓をかけます。

パッとはずして
流れるようにそのまま演奏!

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まとめ

弓で打楽器を上手く鳴らす!
  1. 弓の張り具合
  2. 松脂の塗り方
  3. 当て方
  4. 力加減

4つのポイントをおさえて、自由自在に鳴らしてみてください。

それでは、また!

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