こんにちは!打楽器の吉岡です。
先日10月4日(日)吉岡理菜パーカッション ミニリサイタルvol.2.75を無事に終えました!
ご来場の皆さま、あたたかい応援やご協力をいただいた皆さまに心より深く御礼を申し上げます。
5月のリサイタルvol.3が中止になって悔しくて、思い立って2か月前に会場を予約して準備した今回のリサイタルvol. 2.75。
vol.3でやる予定だったものを縮小して開催したものの、バタバタでした。(そりゃそうだ)
前回のコロナ対策しつつ演奏会やってみた。~リサイタル2.75大反省会その1に続き、今回は演出面でのやって良かったこと&失敗点について書いていきます。
意外にも、コロナ制約のなかで生まれた演出が喜ばれていました!
プロジェクターの活用
今回のリサイタルは文化芸術活動の継続支援事業の「トライアル公演」ということで、感染拡大防止に特化した公演にする必要がありました。
感染リスクを高めることなくよりお客さまに楽しんでいただける方法は無いかなぁ…と考えるうちに、プロジェクターの活用にたどりつきました。
今回は極力発話せずに公演を進めてみようと画策することとなりました。
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演奏する手元をリアルタイムで!
フラットな客席の会場だと、後ろの座席の人はなかなか演奏者の手元まで見えませんよね。
一番前の席だとしても、演奏者と同じ目線で見ることは出来ません。
そこで!
ホール備え付けのプロジェクターと巨大スクリーンを使い、演奏者目線に近い映像をリアルタイムで投影することにしました。
今回演奏したスネアドラムのソロ曲「SyNc」は指を使って様々な音色を出したり、ビー玉やカリンバをのせて演奏するので、この曲で手元を映し出すことにしました。
映し出す予定でした!
残念ながら、本番はバッテリーが切れてしまい、実現しませんでした。
悔やんでも悔やんでも悔やみきれません…!
使った機材
今回はCanonのデジタル一眼レフカメラ EOS Kiss X9iと会場のプロジェクターをHDMIケーブルでつないで映しました。
(本番は映せなかったけど)
司会や楽器解説を動画で
曲間の司会&楽器紹介を撮影・編集した動画をプロジェクターで流しました。
何度でもやり直しできるので言い忘れもなく、落ち着いてしゃべれます。笑
実際に流した映像
予想外に好評だったのが動画での楽器解説でした!
先ほどの手元を映し出す話と同じく、普段、客席からは楽器の細かい部分までは見えません。
動画で大きなスクリーンに映したことで、その「細かい部分がよく見れたのが本当によかった」と多くの方から感想をいただけました。
見てもらいたい部分を大きく見せることができた分、楽器解説がより濃く印象的な時間になったようです。
今回は特殊な楽器を使ったこともあり、マリンバの歴史や特徴とも関連させながら内容を練っていきました。
(余談)自主企画でこだわっていること
クラシックのコンサートだと曲間に司会(MC)を入れない場合も多いですが、私は基本的に司会を入れるようにしています。
普段コンサートにあまり足を運ばないお客さまにもリラックスしてお聴きいただきたいのと、演奏や楽器にまつわる情報をお客さまが手に入れることでより踏み込んで音楽を楽しんでもらえるようにしたい、との理由があります。
お客さまが知らない曲を演奏することも多いです。
特にリサイタルは自分がやりたいことに重心を置いているので、一般的には知られていない曲がほとんどです。
作曲したり編曲したり、オリジナル作品を入れることも多いです。
スポーツで言えばルールを知らないで観戦するか、ルールを知ったうえで観戦するかの違いに似ていると思います。
お客さま全員が専門的な音楽教育を受けているわけではありません。
音楽を耳から入る「音」だけではなく、音楽や楽器の仕組み、視覚情報、歴史背景など知らなければ聞こえてこない・見えてこない・感じ取れないものなど、「音」を様々な切り口からとらえるために必要な情報を曲間でお話しするようにしています。
より充実した時間に、より楽しんでいただくためのサポートともいえるかもしれません。
お客さまにとって何か新しい発見がある機会を作れればと願い、いつもプログラムを考えています。
(考え方次第ではこのこと自体お節介で邪魔なことになるのかもしれませんが)
その点、私が企画する演奏会は、純粋には「演奏会」とは言えないのかもしれません。
プログラムの充実
今回はちょっとこだわりのプログラム。
曲目解説には読んでちょっと得するようなミニ知識的要素を入れたり、普段の生活と関連するような話題を組み込んだり、文字だけでは伝わりにくい部分には図を入れたりしました。
思い切って作ったのが写真にもある年表です。
プロフィールや経歴も、文章だけだと伝わりにくい部分がありますよね。
今回演奏した曲の作曲家の生没年、演奏曲の作曲年、世界と日本の出来事、自分の出来事をのせています。
共演者との関わりものせています。
「今回なぜこのようなリサイタルになったのか」といった因果関係も年表からフワッと読み取れるように作っています。
初めましてのお客さまも「どんな人が演奏しているのか?」知れたら面白いですよね。
ちなみに、今回プログラムを受け取った方は私の年齢を知ることができます。笑
プログラム再発送事件
今回はラクスルのオンラインデザインでプログラムを制作、チェックにチェックを重ねて発注したのですが…
届いたら何故か文字が何か所か衝突していました。
こちらで作ったデザインデータは衝突しておらず、入稿する時点でのデータで何故か衝突してしまったようです。
詳しい原因は分からないままなのですが、迅速にご対応いただき当日に間に合うようになりました…!
何があるか分からないので、プログラムは早めに発注すること、届いたら中身をすぐ確認することをオススメします。笑
衣装替え
今回は2回の衣装替え、合計3着の衣装を着ました!(歴代1位)
せっかく生演奏を聴きに来ていただいているので、視覚的にも演出したいと思い曲目に合わせ衣装を選びました。
衣装のチョイスも好評だったようでホッとしています。
インドネシアの伝統楽器を演奏する際には現地の衣装を着ました。
着替えのために曲間お待たせしてしまうのは嫌だったので、プロジェクターで動画を流したタイミング(10分間)でさらにドレスへ着替えました。
10分間あると安心して着替えられます。笑
アンケート
前回リサイタルのアンケート回収率は75%、今回のアンケート回収率は89%でした!
率直な感想や心温まる励ましのお言葉など、嬉しくて何度もウルっときました…!
「印象に残った曲目を選んでください」コーナーも作りまして、
1位アイオリスの庭(初演したやつ)
2位シンク(ビー玉転がしたやつ)
3位ヴェロシティーズ(迷宮入りしたやつ
という結果になりました。
まさかの初演曲が1番多くて、驚いています!
また、「生演奏が聴けて良かった」「配信もいいけど、生演奏はやっぱり格別だった」などの感想も多くいただきました。
自分の負けず嫌いから始まった企画でしたが、意外な部分で喜んでいただけていて不思議な感覚です…!
コロナに負けてたまるか!
が裏テーマでしたが、アンケートに書かれた皆さまからの温かいメッセージと感想にとても励まされました!
ご来場および応援いただいたすべての皆さま、本当にありがとうございました…!
動画で感想をいただきました!
リサイタルを聴きに来てくださったサックス奏者の赤木俊祐さま@shuntein(ディプロマ科時代の先輩!)がご自身のラジオ番組で感想や深い考察(!?)をたっぷり話してくださいました!
ここまで演奏者本人が色々と書いてきましたが、こちらのほうが分かりやすくスッキリまとめられていますので、ぜひ聴いてみてください。笑
(こちらの動画で語られている推測・妄想、ほぼ全問正解です!)
この状況の中リサイタルを開催する「気概」に注目していただいたのが意外でした!
(気概という言葉が気に入りました。笑)
自分自身は「コロナだけどやったるわぁぁぁ」と外に向けては考えておらず、あくまでリサイタル中止になったままでは自分自身に負けたような気がするから嫌、自分の現状を変えたい、という気持ちだけで突き進んでいました。
失敗と反省
・手元用カメラのバッテリー
・撮影用ビデオのバッテリーも切れた
・プログラムや動画の企画をもっと早くから
・アンケートに感染防止対策関連も入れれば良かった
・アンコール撮影可!を言いそびれた
・自分一人で企画運営していたので、受付スタッフや会場スタッフの方々とのやり取りが自分一人と集中してしまった
プログラムや動画をもっと早く企画すればよかった=公演直前は楽器と向き合う時間(最終調整)に集中できる環境を作るということになりますね。
本番直前に事務作業だらけにならないように、今後は気を付けます。笑
あと、機材の取り扱いに慣れていきます。
自分一人でのびのびやるのが好きでしたが、規模によってはスタッフをより多く雇ったり、撮影・録音はプロにお任せしようと思いました。
アンコールの件は全開のリサイタルの反省を生かすはずが…本当に申し訳ございませんでした!
早くも次回リサイタル、やる気出ました。笑
おわりに
コロナ対策の中で出てきた演出が、結果的に「新しさ」としてお客さまに受け止めていただけたことが印象的でした!
まだ怖くて当日の録音は聴けていないのですが(笑)
じっくり聴いて考えて、演奏面の反省と今後の目標作りをしたいと思います。
それでは、また!
おまけ
中止になったリサイタルvol.3のチラシ500枚とチケット、ずっと捨てられずに部屋に置いてありました。
今回のリサイタルvol.2.75を終えたら、不思議と捨てる決心がつきました。
供養大成功!
叶わなかった恩師との共演も、次回果たしたいと思います。
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