こんばんは!
打楽器演奏と作編曲の経験を生かしつつ部活動指導員やっています。吉岡です。
一般社団法人日本クラシック音楽事業協会・日本管打・吹奏楽学会の主催で器楽と客席における飛沫等の飛散に関して厳密な実験が行われました。
そのうえで医療専門家チームの各位による精密な分析と協議を重ねた報告書が公表されました。
#コロナ下の文化を前に進めるプロジェクト~クラシック⾳楽演奏・鑑賞にともなう⾶沫感染リスク検証実験報告書
107ページにわたる報告書から、吹奏楽部に関連しそうな部分を抜粋・要約していきます。
抜粋・要約
・実験は換気をしないクリーンルームでの計測のため、十分に換気できる環境であれば実験結果よりもさらにリスクが低くなると考えられる。
・フルートは歌口付近、ほかの木管楽器は楽器先端部、金管楽器はベル付近で最も多くの微粒子が観測された。
・発声と比べて特に微粒子量が多いのは、トランペット、トロンボーン、ユーフォニアム、クラリネット、チューバの順であった。
・金管楽器は木管楽器や発声より発⽣する微粒⼦数が多い。したがって、換気には⼗分に留意する必要がある。
・ホルンは前方とベル付近、さらに右方50cmへの微粒子量がやや多く観測された。
・楽器用マスク(ベルにかぶせるタイプのもの)の装着した場合、微粒子量はトランペットはマスク無しに比べ72分の1に、トロンボーンにおいては100分の1に減った。吹奏感や音色に影響が出るため、楽器用マスクの使用は今後検討していく必要がある。
⽊管楽器・ユーフォニアム・チューバ
従来の間隔で演奏した場合でも、ソーシャルディスタンスを取った場合と⽐較して、⾶沫などを介する感染リスクが上昇することを⽰すデータは得られなかった。
http://www.jas-wind.net/pdf/20200817kekkaCOVID-19musiccultureproject.pdf
ホルン
従来の間隔で演奏した場合でも、ソーシャルディスタンスを取った場合と⽐較して、⾶沫などを介する感染リスクが上昇する可能性は低いと考えられるが、換気の確保にはより⼀層留意することが望ましい。
http://www.jas-wind.net/pdf/20200817kekkaCOVID-19musiccultureproject.pdf
トランペット、トロンボーン
▪ 前⽅については、少なくとも200cmの測定点では、⾶沫などを介する感染リスクが上昇する可能性は低いと考えられる。
▪ 左右⽅向・後⽅については、従来の間隔で演奏した場合でも、ソーシャルディスタンスを取った場合と⽐較して、⾶沫などを介する感染リスクが上昇することを⽰すデータは得られなかった。
http://www.jas-wind.net/pdf/20200817kekkaCOVID-19musiccultureproject.pdf
フェイスシールドは顔に直接飛沫などを浴びることを防ぐために着用するものです。そのため演奏者が指揮者に向かって演奏するとき場合は、飛沫などを浴びる可能性が無いため、フェイスシールドの着用は不要です。
http://www.jas-wind.net/pdf/20200817kekkaCOVID-19musiccultureproject.pdf
感染対策グッズを賢く的確に使いましょう。
一般社団法人日本管打・吹奏楽学会(こちらからもご覧いただけます。)
実際の活動に即したQ&A方式で、見やすくまとめられています。
まとめ
- お互いの距離を広げたからと言って感染リスクが大きく下がるわけではない
- ベルが前を向いているトランペット・トロンボーンは前方200cmは意識しておく
- 換気と手洗いまたは手指の消毒をこまめに行う
- 会話するときはマスクをするか袖などで口元を覆う
- 自分一人が使うものか、共有しているものか、意識して使う。
なんとなく感染するのではなく、手についた飛沫などが目・鼻・口に入ることで感染につながります。
ここまでやれば絶対感染しない、というものはありません。
いつも通り過ごしていても、感染源がなければ感染することはありません。
ひとりひとりの正しい理解と心がけで、感染を防ぎつつ音楽を続けていきましょう…!
それでは、また!
感染対策コンサートの具体案

吹奏楽部のウィズコロナ
