みなさまこんにちは!
ガムラン演奏したり踊ったりしています吉岡です。
ガムランはインドネシアの伝統音楽で、名前だけではピンと来ない方も音を聴くと「なんだか南国っぽい!」と感じると思います。
今回は「おもしろクラシック第2回」ということで、
クラシック作曲家がガムラン要素を取り入れた曲をピックアップしました。
ガムランは大きく分けると、バリガムランとジャワガムランに分けられます。
ざっくり言うとバリガムランは音色もギラギラしていて野性的でエネルギッシュな雰囲気、ジャワガムランは王宮文化とともに洗練された奥深い味わいを持っています。
クラシックだけどクラシックじゃない!?
不思議な作品たちを紹介していきます♪
細かなモティーフが重なりあい、めぐりめぐる音の世界。
暑い夏のBGMにもどうぞ!
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C.マクフィー:タブ・タブアン
ガムラン度
バリガムランの要素を取り入れた曲です。
単にガムランの音階や節回し、リズムをオーケストラで再現しただけでなく、ガムランの本質的な部分や精神を感じます。
西洋のオーケストラとガムラン、異なる性質のものが見事に融合され、新しい音楽へと昇華されてた作品だと思います。
コリン・マクフィー(Colin McPhee, 1900年3月15日 - 1964年1月7日)は、カナダの作曲家、音楽学者。バリ島に居住して、ガムラン音楽を西洋に紹介して、大きな影響を与えた。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%82%AF%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%BC
音楽学者として執筆も多く残しています。
F.プーランク:2台のピアノのための協奏曲
ガムラン度
1楽章の後半(動画開始位置)、2台のピアノで奏でられ始まる部分が何といってもガムラン的です。
ピアノは鍵盤を押して弦を叩くことで音をだす楽器です。
「たたいて音を出す」音質としては金属打楽器の合奏であるガムランと共通しており、ガムラン的な音の運びとよくマッチしている印象です。
フランシス・ジャン・マルセル・プーランク(Francis Jean Marcel Poulenc 1899年1月7日-1963年1月30日)は、フランスの作曲家。「フランス6人組」の一人。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%97%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%AF
C.ドビュッシー:版画より「塔」
ガムラン度
今回紹介する中で、おそらく一番有名な作曲家ドビュッシー。
先ほど紹介したプーランクの1世代前の作曲家です。
1889年のパリ万博でジャワ・ガムランの演奏に出会ったドビュッシーは、ピアノの作品にガムランの要素を取り入れます。
五音音階や音型が大小様々な音価で繰り返される様子、ガムランのゴングのような低音の持続が特徴的です。
クロード・アシル・ドビュッシー(Claude Achille Debussy 1862年8月22日 - 1918年3月25日)は、フランスの作曲家。
独自の作曲を実行し、その伝統から外れた音階と和声の用い方から19世紀後半から20世紀初頭にかけて最も影響力を持った作曲家である。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%89%E3%83%93%E3%83%A5%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%BC
L.ハリソン:ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲
ガムラン度
最初に紹介したC.マクフィーから大きな影響を受けたL.ハリソンによる作品。
この作品、異色中の異色です。
なんと、ジャワ・ガムラン合奏の中にヴァイオリンとチェロが突っ込まれています…!
ガムランは通常ピッチを変えることは出来ないので、弦楽器がガムランにピッチを合わせています。
(ガムランはピアノなどとは全く違う音程に調律されています)
幸運にも2回ほど生演奏を聴いたことがあります。
床に座って演奏するガムラン、イスに座って弾くチェロやヴァイオリン。
アジア音楽に多い床に座っての演奏と、椅子に座るもしくは立奏する西洋的なスタイルの混合。
演奏風景を見るとなかなかの違和感なのですが、
音だけ聞いてみると不思議とマッチして聞こえます。
ルー・シルヴァー・ハリソン (Lou Silver Harrison、1917年5月14日-2003年2月2日)は、アメリカの現代音楽の作曲家。オレゴン州ポートランド出身。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%8F%E3%83%AA%E3%82%BD%E3%83%B3
L.ゴドフスキー:ジャワ組曲より「ガムラン」
ガムラン度
1曲目0:00~3:39のタイトルが「ガムラン」となっています。
ジャワ・ガムランの要素とピアニスティックな表現が見事に組み合わさっています。
3週間ではありましたがジャワ島へガムラン研修に行った身としては各曲のタイトルからして堪らない組曲です…!
レオポルド・ゴドフスキー(Leopold Godowsky, 1870年2月13日 - 1938年11月21日)は、ポーランド(現・リトアニア。当時はロシア帝国)のユダヤ人のピアニスト、作曲家、教師。「ピアニストの中のピアニスト The Pianist of Pianists」と呼ばれる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%82%AA%E3%83%9D%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%B4%E3%83%89%E3%83%95%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC
A.ジョリベ:ピアノ協奏曲
ガムラン度
「赤道コンチェルト」とも呼ばれる作品。
ピアノを中心に演奏される10:40~13:26あたりがガムラン風…に感じますが、消化されて不思議な感じになっています。
アンドレ・ジョリヴェ(André Jolivet, 1905年8月8日 - 1974年12月20日)は、フランスの作曲家、音楽教育者。様々な作曲技法を用いて、ラジカルな前衛音楽からポピュラーなCM音楽まで幅広い分野の作曲を行い、「音楽のジキルとハイド」と揶揄されるほどであった。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AC%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%AA%E3%83%B4%E3%82%A7
このフィリップ・アントルモン&パリ音楽院管弦楽団のCDが名演奏です。
音楽院管弦楽団だから若い人が多いのかな?
クラシックのイメージを覆すワイルドさとエネルギッシュさ、リズムのノリ方も一番好き。
おわりに
C.マクフィー:タブ・タブアン
F.プーランク:2台のピアノのための協奏曲
C.ドビュッシー:版画より「塔」
L.ハリソン:ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲
L.ゴドフスキー:ジャワ組曲より「ガムラン」
A.ジョリベ:ピアノ協奏曲(赤道コンチェルト)
以上、6曲の紹介でした!
打楽器仲間ということで、ガムランはピアノと相性がいいのかもしれませんね…!
これからの季節、暑い夏のお供にもいかがでしょうか。
それでは、また!
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