自主企画

マリンバで聴くチェロ組曲第1番~リサイタルvol.2.75を10倍楽しむ曲目紹介2

2020年9月6日

こんにちは!打楽器の吉岡です!

10月4日(日)ウェスタ川越でのミニリサイタルvol.2.75で演奏する曲目を紹介していきます!

今回は「曲目紹介2」ということで、マリンバの包み込むような低音を2本マレットで弾く無伴奏チェロ組曲について書いていきます。

どんな曲?

音楽の父と言われるJ.S.バッハ作曲のチェロ独奏曲です。

生涯に6つ書いた無伴奏チェロ組曲のうち、今回取り上げるのは第1番ト長調です。

なかでも一番有名なのはプレリュード!
きっとどこかで聞いたことがある、チェロの代表曲です。

シンプルでありながら印象的なはじまり。
サックスでの演奏を耳にすることも多いです。

元々はダンスの曲

組曲に入っている一曲一曲のタイトルはダンスの名前になっています。
(プレリュードを除く)

16世紀末から17世紀初頭にかけてのバロック時代。
踊りが大好きな太陽王ルイ14世のヴェルサイユ宮殿を舞台にバロック・ダンスが盛んに踊られ、ヨーロッパ中に広がっていきました。

(貴族たちの優雅な舞踏会がイメージされます!)

多種多様なステップが生み出されるとともに様々な趣を持つ舞曲が舞踏会で踊られ、教養人の社交の場となっていました。

実際に踊るための音楽としてバッハの組曲は作られていませんが、ダンスのステップをイメージしながら演奏してみようと思います!

(この記事の後半で実際に踊っている動画をのせています)

[memo title="MEMO"]このバロック時代に宮廷で栄えたバロック・ダンスが現在のクラシック・バレエに繋がっていると考えられています。動画を見てみると、軽やかな足さばきやステップがよく似ています![/memo]

どんな人が作曲した?

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

蒸気機関に代表される産業革命が起こり、西欧諸国では激しい貿易競争が始まった18世紀に、J.S.バッハはドイツで活躍しました。

教会オルガニストや宮廷楽長を歴任、作曲家としても数多くの作品を残し後世の音楽家に大きな影響を及ぼした人物です。
(「音楽の父」とも呼ばれている)

今回演奏する「チェロ組曲」は務めていた宮廷楽団の友人に向けて書かれた曲と考えられています。

ちなみに…
肖像画の髪の毛は、カツラです!
事情は色々とあるのですが…調べてみてください。笑

(ベートーヴェンは地毛です)

なぜマリンバで弾く?

マリンバの4本マレット

マリンバは新しい楽器

バッハが生きていた時代、マリンバはクラシックの楽器として使われていませんでした。

そもそも、マリンバが今のような形になってからまだ50年ほどしかたっていません。

新しい楽器なので、他の楽器に比べたらマリンバのために書かれた作品は少ないんですね。

というか最近作られた曲しかない。
ということでレパートリーに、大きなかたよりがあります。

音楽室の壁に貼ってある作曲家は、誰もマリンバの曲書いてないです。

違う楽器の曲を演奏するということ

前回のリサイタルvol.2でもバッハのヴァイオリンソナタを弾きました。

関連続・どうしてこうなった!人生2回目のリサイタル

ありがたいことに日々音楽を仕事としているけれども、さらにレベルアップしたくて居ても立ってもいられず、やることにしたリサイタル。 前回までのあらすじ↓ 今回は試聴あり!でプログラムについて書きます。 さ ...

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吉岡さん(中2)
チェロのために作ってあるのに!マリンバでやんのかよ!

と賛否両論だと思いますが、挑戦しないことには何も起きないので挑んでいます。
得るものがあるので、何と言われようとやります!

叩いて音を出すマリンバ弦を擦って音を出すヴァイオリン属は、奏法も音質も全く異なる楽器です。
その分、練習してみると刺激を受けることが多いんです。

マリンバで他の楽器っぽいことをやってみる。
オリジナルの楽器に表現を近づけたり逆にマリンバ流に置き換えたりしてみる。

同じ楽譜を使っていながら、楽器によって演奏者によって演奏が大きく変化するのがクラシックの面白いところだと思います!

メモ


今日普及している5オクターブマリンバの最低音はチェロの最低音と同じ!

今回弾く3曲について

「無伴奏チェロ組曲 第1番」は小さな曲が6曲入った組曲の形式です。

  • プレリュード
  • アルマンド
  • クーラント
  • サラバンド
  • メヌエットI・II
  • ジーグ

そのなかから今回は3曲だけを演奏します。

プレリュード

言わずと知れた名曲!
舞曲ではなく、「ようこそ~」といった前奏曲です。

ちなみに作曲された当時からずっと有名だったわけではなく、しばらく忘れ去られたのち20世紀に入ってから盛んに演奏されるようになりました。

クーラント

今回演奏するチェロ組曲のクーラント、チェロの演奏はこんな感じです。

形式としては3拍子系の優雅な舞曲です。

この曲を弾いてると、やっぱり日本語とは全く違う言語だよなぁ…としみじみ感じます。笑

当時の衣装は重たいでしょうから、あまり高く跳ねたり大きく動かずに踊っているようですね。

(マリー・アントワネットのような大きなカツラをつけて踊ることもあったようです)

クーラントのステップ

ジーグ

今回演奏するチェロ組曲のジーグ、チェロの演奏だとこんな感じです。

組曲の最終曲に置かれることが多い、アップテンポの舞曲です。

踊りのステップも軽やかで華やかな印象ですね。

ちなみに、当時はピアノがまだ発明されていません。
動画内のピアノのような楽器は、チェンバロというピアノの前身になった楽器です。

ジーグのステップ

当日をお楽しみに!

以上、J.S.バッハ作曲の無伴奏チェロ組曲第1番についてでした!

荘厳華麗な宮殿や踊りのステップ、ヨーロッパ系言語の話し方を参考にしつつ、演奏していきたいと思います!

引き続き残りの曲目紹介もしていきますのでお楽しみに~!

それでは、また~!

当日の演奏はこちら

  • この記事を書いた人

よしおか りな

埼玉県川越市・新座市を拠点にマリンバや打楽器を演奏したり教えたり、作曲したり、部活動指導員やNPO理事やっている人。場面緘黙の経験やHSP気質を活かしながらお仕事してます。 alla(アラ)はイタリア語で「…のように」を意味します。しなやかに、たくましく、ミネラル豊富でダシにもお茶にもラッコのお布団にもなる…そんな昆布に憧れます。当ブログは硬くなりすぎず、絶妙な歯ごたえと素朴な旨みでお送りしたいと思います。どうぞ、よしなに!

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