こんにちは!部活動指導員の吉岡です!
関係者がザワついたこちらの話題。
休日の部活動、地域に移管 教員の長時間労働是正についてシリーズで書いていきたいと思います。
部活動の地域移行(移管)とはいったい何者なのか?
文部科学省発表の学校における働き方改革推進本部(第4回)
議事次第を踏まえて、まとめていきたいと思います。
なぜ変わる?
結論を言うと、部活動の地域移行は教員の負担を減らし、部活動の質を上げることが目的です。
なかでも最も大きな理由は教員の負担軽減です。
部活動に従事する教員の現状
- 教員の長時間労働の原因の一つ
- 部活動の時間はほぼ無給であること
- 大会や練習などで休日出勤の必要があること
- 希望しなくても顧問にされてしまう
- 担当する部活動の指導経験がない場合は大きな負担になる
部活指導員として日々、学校の先生方の様子を垣間見ていますが信じられないほど長時間働いています。
働いているのは授業や部活動の時間だけではなく、授業で使うプリントや教材の作成、それを人数分印刷して分けて準備、テストの作成と採点、学校行事の計画や準備、研修や出張、生徒指導、保護者の対応、と書ききれません…!
育児や介護がある場合、一体どう両立しているのか…相当な無理をしているのではないかと不安になります。
教員の負担についてはこちらの記事でも触れています
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また、音楽の先生は声楽・ピアノ専攻の方が多いようです。
音楽が専門だからと言って、必ずしも吹奏楽の経験があるとは限りません。
経験のない吹奏楽部を指導するとなれば、大変大きな負担になるかと思います。
その場合、生徒たちも十分な指導を受けられないかもしれません。
部活動指導員は同じく教員の負担を減らし、部活動の質を上げる目的で導入されましたが、配置校では効果があったものの、人材が集まらず全体的な解決には至らなかったようです。
いつ変わる?
部活動は必ずしも教師が担う必要のない業務であることを踏まえ、部活動改革の第一歩として、休日に教科指導を行わないことと同様に、休日に教師が部活動の指導に携わる必要がない環境を構築。
https://www.mext.go.jp/content/20200901-mxt_kouhou01-100002242_7.pdf
これから細かな現状の把握、拠点校での実践・研究が始まるため、全国的に大きな動きがあるのは令和5年度以降です。
「学校で部活動できなくなっちゃうの!?」
「平日は先生が指導、休日は別の指導者!?」
など見かけますが、そうはなりません。
(具体的にはどうなる?をご覧ください。)
急に地域移行するわけではなく、令和5年度から段階的に移行が始まる予定です。
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具体的にはどうなる?
部活動をやりたい教員はどうなる?
自治体や地域、部活動保護者会といった学校とは別の主体が実施するスポーツ・文化活動に、希望する教師が兼職・兼業の許可を受けて参加する仕組みの確立。
https://www.mext.go.jp/content/20200901-mxt_kouhou01-100002242_7.pdf
引き続きできます!
「平日は学校の先生、休日は別の指導者!?」と騒がれている件ですが、学校の先生が希望すれば休日も指導することができる仕組みになります。
また、学校の先生が部活指導を希望しない場合、平日は自主練習で休日に外部指導を受けるといったやり方もできそうです。
また、今回の改革案は休日の活動に焦点を当てたものです。
あと数年で「学校で部活動できなくなっちゃう!?」わけではないです。
複数校合同チーム化
地域の実情を踏まえ、特に少子化の影響が大きい過疎地域においては、地方自治体の判断に基づき、市町村を越えた他校との合同部活動を推進するとともに、都市部においては、市内の近隣校との「拠点校方式」による合同部活動を推進する事業を実施する。
https://www.mext.go.jp/content/20200901-mxt_kouhou01-100002242_7.pdf
吹奏楽部の場合、すでに生徒数が少ない地域では合同チームでコンクールに出場しいます。
合同部活動にすることで、必要になる指導者の数を減らすことができます。
部活動の地域移行
地域部活動の運営主体は、退職教師、地域のスポーツ指導者、スポーツ推進委員、生徒の保護者等の参画や協力を得て、総合型地域スポーツクラブ、民間のスポーツクラブ、芸術文化団体等が担うことが考えられる。
https://www.mext.go.jp/content/20200901-mxt_kouhou01-100002242_7.pdf
総合型地域スポーツクラブ、民間のスポーツクラブ、芸術文化団体が運営主体になり、学外での活動になりそうです。
何校か合同で行うとしても、活動場所の確保はできるのだろうか…。
そもそも吹奏楽部はどうなるんだ…?
そう都合よく合奏できたり楽器を保管できる場所は少ない気がする。
次の機会に記事を書こうと思います。
保護者の負担
地域部活動となると、下記のような費用負担が考えられます。
- 指導者(兼職兼業の許可を得た教師を含む)への謝金
- 場所や用具の使用料
- 練習場所に行くための交通費または送り迎え
- 学校外での事故に備えて保険への加入
そのままだと保護者による費用負担が大きくなるため、生徒が部活動を選べない・入れない可能性も出てくると思います。
よって、地方自治体による減免措置等と国による支援を検討しているようです。
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まとめ
- 教員が部活動に関わる・関わらない選択肢を作る
- 適した人材を指導者とすることで活動の質向上も目指す
- 令和5年度以降、休日の部活動を地域へ段階的に移行する
吹奏楽部はどうなるのか?気になるところです。
どんなやり方が考えられるか、次の機会に書いていきます。
それでは、また!
現状をなんとかしたくてNPO作っちゃいました
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