こんにちは!打楽器の吉岡です。
アンサンブルコンテストなどに向けての楽器や奏法のご相談を受けることが増えてきました。
そこで今回は打楽器アンサンブルや管打アンサンブルで起こりがちな問題を扱っていきます。
ケースバイケースなのですべての場合にあてはまるわけではありませんので、電化製品の取扱説明書にある「故障かな?と思ったら」の感じで見ていただければと思います。
もくじ
太鼓系の音量でかい鍵盤聴こえない
バランス
・太鼓系を演奏する人は鍵盤楽器の音を意識して聴きながら叩いてみる

鍵盤楽器の音量アップ
・共鳴管を通って床へ振動を伝えるイメージで深くたたく。(特にビブラフォンやマリンバ)
・少し固めのマレットを使って、音を目立たせてみる
・音のスピードを上げる(マレットの先端にスピードをつける)
・腕相撲をイメージして、背中~腕全体を使って音を出す
(使う=意識的に動かすわけではない)
・足を適度に開き、ひざを使えるようにする。体重移動をする(特に跳躍が多い場合など)

ミュートを使う
・太鼓系はどうしても大きくなってしまうので、ミュートを使うのも手。
・ジェルミュート、リングミュート、布など試して状況に合ったものを使う

テンポが安定しない
・アンサンブルのテンポが安定しない=まだ余裕を持って叩けるテンポではない、仲間とテンポが共有できていない、様々な原因が考えられる
・各自テンポが乱れやすい部分、速くなりやすい・遅くなりやすい部分を特定する
(それを共有して、みんなで解決できるようにする)
・メトロノームを付けて、みんなで手や足でテンポをとりながら歌ってみる
・指揮を振りながら歌ってみる
仲間とテンポを共有するヒントになりそうな記事




出だしが合わない
・その曲を1フレーズ心の中で歌って、イメージしてからテンポを出す
・じゃん、けん、ポンで合わせてみる
・叩き始める前の予備動作(じゃんけん)を意識的にやってみる
・ブレスのタイミング、速さ、深さをそろえる
仲間のテンポ出しが見えるように譜面台もセッティング!

速くなる遅くなる
・手よりも耳に意識を持っていく
・足で拍を踏みながら叩いてみる
・4拍子なら2,4拍目でメトロノームを鳴らして練習してみる
・メトロノームを裏拍で鳴らして練習してみる

・休符の感じ方をそろえる

持ち替え・移動が間に合わない
バチ類
・前の動作からスムーズに持ち替えできるように置き方を工夫する
・マレット台を鍵盤楽器や太鼓系の楽器より高くして、楽器奥に置いてみる
・すぐ握れるようにバチの手前を台から出して置いておく

・シロフォンとグロッケン、マリンバとビブラフォンなら同じマレットで弾くことも出来る
マレット台が置けない時に活躍


小物楽器類
・前の動作からスムーズに持ち替えできるように置き方を工夫する
・右手で持つものは右側に、左手で持つものは左側に
・トライアングル、タンバリンなどスタンドにつけられるものはスタンドにつけてやってみる
セッティングのコツ
・L字にセッティングする
・(太鼓類)横一列ではなく横縦(奥・手前)でも配置してみる
・横方向だけではなく、高さと奥行きも使って配置してみる

トムトム・組み合わせた太鼓類が上手くたたけない
セッティングの重要性
ひとつ前の「持ち替え・移動が間に合わない・セッティングのコツ」と大きく関連しています。


身体の使い方
・左右のバチをスムーズに動かせるように動線を考える
(左右おたがいが邪魔しないように)

・ハの字が基本だけど、あくまで「基本」

・奥の楽器や横の楽器をすぐたたく、行ったり来たりするときはバチでTの字を作るよう意識してみる
・楽器に対しておへそが真ん前でなくても良い
(たたきやすくなるなら楽器の斜めからたたいてもよい)
音が馴染まない
・管打アンサンブルなら、管楽器のアーティキュレーションやブレスをそろえる
・「響きのある音で演奏する」と関連あり
・硬すぎるマレットは音が立ちやすく、馴染みにくい


音が当たらない
・ごり押しで弾いていませんか?
テンポを落としたりリズムを変えたり、よく観察して当たらない原因を突き止める
(勢いまかせで弾く100回より良く考えた10回のほうが効果的)




音が当たらないというか、鳴らない!?
ビブラフォンなどを弓で鳴らすポイント



4本マレットが難しい
・小指と薬指でしっかりホールドする
(普段使わない部分なので慣れる、多少鍛える必要がある)
・2本が重なった部分に輪ゴムをかけると安定させやすくなる
・背中~腕全体を使って弾く
(手首から先でたたいていないか?)
・ひざを突っ張らず、すぐに曲げられるような状態にして重心を下げてみる
・マレットの先の重みを感じながら打ってみる



太鼓だけのアンサンブルってどう作りこめばいいか分からない
聴いてほしい音は?
音程楽器の曲に比べると、どこを聴いたらいいのか分からなくなりやすいので聴き取りやすさが重要になります。
(講評用紙では「立体感」「奥行き」と書かれることも)
・その部分で一番聴かせたいパート、音はどれか。スコアを見て仲間と打ち合わせする

・目立たせるのか、馴染ませるのか
・そのために音色や叩き方、強弱などあらゆる手段を使って差をつける




・曲の場面ごとのメリハリをつける

どんなノリでたたく?
リズムを前面に出す太鼓系アンサンブル。
テンポの良い話し方だと聞いてて飽きませんよね。
ノリ、音のスピードにもこだわっていきましょう!



チューニング
チューニングで印象が大きく変わります!
曲の雰囲気やそのパートの役割を考えてチューニングしてみてください。


間のとり方がよく分からない
YouTubeなどで色々なアンサンブルを聴いてみるのが一番です!
フェルマータ
・なぜ作曲者はそこにフェルマータを付けたのか?役割を考えてみる
・フェルマータの後の音楽はどうなっているか?どう繋げたいかでフェルマータの長さや切り方が変わってくる
フェルマータ付き休符
・もし、このフェルマータがついた休符に音があったらどう演奏するか?考えてみる
コンマ「 ’ 」やスラッシュ「 // 」
・フレーズや音楽の区切り

【打楽器アンサンブルで途切れ途切れに音が入っている場合】
・その音でびっくりさせたいのか?あるいは自然に聴かせたいのか?など考えてみる
・前の音を真似するのか?全くちがうのか?前後のつながりを考えてみる
・「張りつめている」「解放されている」など一音一音に意味を持たせる
何か見落としてない?

ヒントはスコアにある!


迷ったときは聴いてもらおう!

響きのある音ってなんやねん
講評用紙では「音の立体感」と書かれることも。
「音を馴染ませる」にも深く関係してきます。
響きを調節できれば音色も強弱も自由自在になります。



まとめ
以上、打楽器アンサンブルあるあるを解決するヒント10連発でした!
あくまで「よくある問題」の「よくある解決のヒント」なので、実際の状況と照らし合わせて解決してみてください。
なんとなく勢い任せに演奏するより、色々考えて作り込んでいった方が面白いですよね。
それでは、また!
いい響きが分からない 」
「楽器に問題があるのか
奏法に問題があるのか分からない 」
「今の自分に合った
効果的な練習方法を知りたい 」
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